モクズガニ(モズクガニ)の飼育法、餌は?食用になる?

      2017/08/28

モズクガニはエビ目カニ下目イワカニ科に分類されるカニの一種で、食用で有名な上海ガニとは同じ仲間のカニです。モズクガニと呼ばれることが結構ありますが、実はモクズガニの方が正しい名称です。関東地方では、モクズガニと呼ばれますが、西日本ではツガニ、ズガニ、ヤマタロウなどと呼ばれておりいます。なお、毛ガニや花咲ガニもこの仲間となります。今回は、モクズガニについてみていきたいと思います。

モクズガニの大きさ、生息地

甲羅の幅は7〜8cm、体重は180gほどです。小笠原をのぞく日本全国やロシア、朝鮮半島東側、台湾、香港などに分布します。川やその周辺の水田、用水路、海岸などに生息していますが、産卵はで行います。

なお、モクズガニは北海道にも生息していますが、同じく有名なカニの一種であるサワガニは生息していないとされています。北海道でサワガニをみたという報告は、モクズガニとの誤認だといわれています。

参照:サワガニについて解説!飼育法、餌は?寿命は?

生態

サワガニよりも下流に生息し、乾いた陸上に上がることは少ないとされています。基本的に夜行性で昼間は水中の石の下などにひそみ、夜に活動します。主に雑食でカワニナなどの貝類や、ミミズ、両生類、水生の昆虫や、岩やコンクリートに付着した藻を食しますが、中にはヒメアシハラガニのように肉食だけのものもいます。

モクズガニは成長すると川に生息しますが、幼生の時は塩分濃度が高い海や河口でないと生息できません成長すると川で生息する親が秋から冬にかけて海に移動して繁殖するという「降河回遊」と呼ばれる習性を持っています。モクズガニはこのように様々な塩分濃度の環境で生息できるのですが、その秘密は体液の浸透圧調整能力にあります。

淡水と海水が混じり合った汽水域で生息できる生物には3%程度のふつうの海水塩分濃度から、さらに薄い塩分濃度でも生存できますが、モクズガニは海水濃度の3%よりも高い環境でも生息できる能力を持っているのです。塩分濃度が高く浸透圧が高い環境でも、モクズガニは浸透圧調整物質である「オスモライト」という物質を蓄積して細胞内の浸透圧を高め細胞容積を保ことができます。そのため、干潟など塩分濃度が海水よりも高くなる場所でも生き続けることができるのです。

モズクガニの飼育法や餌

モクズガニを飼育するときには最低45cmの蓋付きの水槽と砂利、カニの隠れ家となるパイプや植木鉢のようなものが必要です。複数で飼育すると共食いをすることがありますので、個別に飼うか、複数を一つの水槽で飼う場合は隠れ家を複数準備しましょう。

餌はむきえびや刺身、カメ用の餌、ザリガニ用の餌などを準備しましょう。水深が浅すぎると脱皮に失敗する可能性がありますので個体の大きさにもよりますが15cm〜17cmの深さにしてください。水温は20度程度でカルキを抜いた水道水でも大丈夫です。安い物でもよいのでエアポンプは必ずつけましょう。ただし、はさみでチョッキンと切られないように気をつけましょうね。

モズクガニと人間

なお、モズクガニは水中の藻や魚の死骸など何でも食し、川の清浄化にも有用でかつ郷土料理にも使われるということで、北上川が流れる岩手県の川崎村では、モクズガニの養殖や放流を行い、カニ料理コンテストが開かれるなど、地域の環境を地域住民が一緒に考えるきっかけになるだけでなく、モクズガ二を使った村おこしに寄与しています。

モクズガニは結核や肺がんに似た症状を引き起こすことがある肺吸虫の二次宿主になることが知られていますので、食するときにはしっかりと火を通すことが必要です。

※サワガニなどでも同様のことが言えます。

最後に

食用にもされるなど、人間との関係もあるモクズガニ。生態もなかなか面白いところがありますね。

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