タガメについて解説!餌や飼育法は?食用になる?

      2017/08/29

タガメはカメムシ目コオイムシ科に属する昆虫の一種で、日本最大の水生昆虫です。水生昆虫といえばゲンゴロウが有名ですが、このタガメはゲンゴロウよりも獰猛な生物とされている肉食の水生昆虫です。今回は、そういったタガメについてみていきたいと思います。

大きさや外見、生息域

体色は暗褐色で、若いうちは黄色と黒の縞模様があります。体長は50mm〜65mmで、メスの方が大きくなり、オスで6cmを超えることはまれです。前脚は鎌状になっており、獲物を捕まえるための鋭い爪ももっています。

Lethocerus

生息域に関しては、べトナムやタイ、台湾や朝鮮半島、中国などアジアの広範囲に生息し、日本では北海道を除く全土に分布しています。地域によっては絶滅しているとされています。

タガメの餌

肉食性で魚やカエル、他の水生昆虫などを餌とし、時にはヘビやカメ、ネズミなどを補食することもあります。針状の口先を獲物に突き刺して消化液を送り込み、消化液で溶けた液状の肉を吸うため、タガメに食べられた生物は骨と皮膚のみが残る形となります。

そのため、個体数が多かったときには金魚やメダカを食い荒らす獰猛な生物として「水中のギャング」と呼ばれ害虫指定もされていました。現在は、農薬の普及や護岸などの環境破壊によって個体数が減少し、生息は山間部の池や田んぼなどに限られており、きれいな水質と餌が豊富な環境でないと生息しないことから水辺の自然度を測るバロメーターとなっており、絶滅危惧種として指定されています。

タガメの生活サイクル

春から秋は水中で過ごし、冬になると陸に上がり、草の陰や石の下で越冬して過ごします。春に越冬から目覚めると5月〜6月には繁殖をはじめますが、このときにオスは腹で水面を一定のリズムでたたく独特の求愛行動がみられます。水面上にでている植物の茎などに産みつけられた60〜100個程度の卵は約10日で孵化し、5回の脱皮を繰り返して40日〜50日程度で成虫となります。通常は、繁殖を終えると死にますが飼育下では3年の飼育に成功する場合もあります。

タガメの飼育法

飼育時には、肉食のため複数飼いをすると共食いが起こるおそれがあるので気をつけましょう。オスとメス1匹ずつ程度が良く、多数のタガメを同じ水槽で飼うのはお勧めできません。冬眠の時期はえさを食べませんが、繁殖期や越冬準備の時期には餌は与えた分だけ食べます。飼育をする際には金魚やオタマジャクシなどを与えます。

水質の汚染についてはさほど気にする必要はありませんが、食べ残しの餌は取り除き、水も1週間に1度は日に当ててカルキを抜いた水に入れ替えてください。ただし水温は30度を超えないように注意してください。基本的にあまり空は飛びませんが、繁殖期には盛んに飛行し、灯火に集まる習性がありますので、夜間は蓋も必要となります。

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タガメは食用になる?

タガメは意外かもしれませんが、人間に利用されてきた水生昆虫でもあります。中国では漢方薬に、ベトナムやタイでは今も食用に珍重されています。日本でも以前は佃煮などにして食する地域もありました。タガメは、ベトナムやタイなどではナンプラーにタガメを漬け込んだタガメ醤油の人気が高くさまざまな料理に使用されています。また素揚げもよく食されます。

高温で火を通すことによって、寄生虫のおそれを減らすとともに香ばしさが出ておいしくなるようです。ちなみにタイなどで盛んに食用とされるのは、絶滅危惧種となっているタガメよりひとまわり大きめのタイワンタガメです。

最後に

食用としても利用されてきたタガメですが、現在は個体数が少なくなってしまっています。個体数の減少はゲンゴロウなどのほかの水生昆虫でも話題になりますが、早く歯止めがかかってほしいものです。

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