テントウムシといえば、小さな昆虫ですがどことなく愛らしい姿をしていますよね。また、益虫としても知られています。(ニジュウヤホシテントウなど害虫となる種類もありますが・・・)。
そういったテントウムシですが、幼虫は成虫からは想像もつかない姿をしています。

※テントウムシにはいくつかの種類がありますが、以下の解説は最も一般的なナナホシテントウやナミテントウといった種類に関するものです。
テントウムシの種類に関しては最後にまとめて紹介します。
テントウムシの幼虫の姿


出典:https://matome.naver.jp

これ、本当にテントウムシの幼虫なんですか?
わたしの知ってる可愛いテントウムシとは違う・・・。

だけど、これが立派なテントウムシになるんだよ。というのも、テントウムシは完全変態の昆虫なんだ。
幼虫から蛹を経て成虫になる虫のことを完全変態って言って、チョウやカブトムシなども同じ完全変態だよ。
チョウやカブトムシも、幼虫はイモムシみたいな感じで、成虫からは想像もできない姿だよね?
テントウムシも、あれと同じようなもんなんだ。

気持ち悪いって感想は変わらないけど・・・・。

ほらほら、なんか遠目で見ると可愛くない?ドアップで見るからあれだけどさ。

出典:https://commons.wikimedia.org


まあとにかく、次行くぞ。
テントウムシの幼虫は何を食べる?




中にはアブラムシ以外のものを食べるやつもいるんだけど、それは次の項で紹介するよ。
我々が一般的に想像するテントウムシは、幼虫も成虫も同じアブラムシを食べて暮らしています。
同じ完全変態の虫だと、チョウやカブトムシなどがいますね。
- チョウ・・・幼虫は草、成虫は花の蜜
- カブトムシ・・・幼虫は朽ち木、成虫は樹液
こんな感じで微妙に食べるものは違いますが、テントウムシは幼虫、成虫共に食べるものは全く一緒です。
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このように完全変態を行う昆虫で、食べるものが全く同じというのは少しレアかもしれませんね。
幼虫期間
テントウムシが幼虫でいる期間は約20日ぐらいとなります。
孵化したのち数日ごとに3回脱皮して4令幼虫になり、その後5,6日でさなぎになります。
さなぎはさらに6日ほどして成虫になり、成虫になってからも2か月程度生きます。場合によってはもっと長生きすることもあります。
テントウムシの幼虫の飼育法

一般的なテントウムシであるナナホシテントウやナミテントウなどのテントウムシの幼虫はアブラムシを食べます。
※今回はそういったアブラムシを餌とするテントウムシであるとして話を進めます。
草むらなどに行くとアブラムシが沢山ついた草が見つかると思います。そういう草を探して取ってきてください。
そして切り花のように水を入れたビンに取ってきたアブラムシつきの草を生けてください。ビンの口に隙間が空いていれば、落下の危険性を考えてティッシュなど適当なものでふさぐとよいでしょう。
それを昆虫ケースなどの適当な容器に入れれば、飼育が可能です。
容器はアブラムシやテントウムシが逃げないよう、フタと容器の間に新聞紙などを挟むと良いでしょう。
草はしおれてきますので、そうなれば新しくアブラムシがついたものと変えてください。

幼虫は1日20匹前後のアブラムシを食べます。(成虫はもっと多くなります)多頭飼育も問題ありませんが、餌が乏しくなると共食いを始める危険性があるので注意してください。

テントウムシは益虫?
テントウムシは、畑の害虫でもあるアブラムシを食べることから、益虫として扱われます。

一方で、テントウムシには種類が多く、中には害虫となるものも存在しています。例えば、ナスの葉を食べるニジュウヤホシテントウが有名な害虫のテントウムシです。

続いて、代表的なテントウムシとその幼虫の画像、食性を紹介するよ。
代表的なテントウムシの種類
ナナホシテントウ
<成虫>

<幼虫>

出典:https://commons.wikimedia.org
テントウムシといえば真っ先に思いつくのがこのナナホシテントウではないでしょうか。
七つの黒い紋があることからこの名前がついています。成虫も幼虫もアブラムシを食べて暮らしています。
ナミテントウ
<成虫>

出典:https://ja.wikipedia.org
<幼虫>

出典:http://albireo190.blog.so-net.ne.jp
こちらもナナホシテントウと並んでよく見られるテントウムシですね。
画像のように同じ種類とは思えないほど様々な模様の個体が居ます。地域によって紋が多い個体が多い、少ない個体が多いなどの傾向はあるようです。
成虫、幼虫とも同じアブラムシを食べて暮らしています。
キイロテントウ
<成虫>

出典:https://matome.naver.jp
<幼虫>

出典:http://konigarden.blog16.fc2.com
続いて紹介するのは、真っ黄色!の綺麗な色をしたキイロテントウです。
こちらは幼虫も成虫も野菜のうどんこ病の原因となるうどん粉病球菌を餌としており、正真正銘の益虫です。
ニジュウヤホシテントウ
<成虫>

出典:https://www.flickr.com
<幼虫>

出典:https://commons.wikimedia.org
テントウムシというと基本的に益虫が多いのですが、こちらは以前紹介したようにナスの葉を食べる害虫です。
外見は殆ど同じで少し大きいオオニジュウヤホシテントウという種類もいます。
そのため、この2種はテントウムシの中では異端児&悪者扱いされることが多い種類です。
テントウムシダマシとよばれることがありますが、テントウムシダマシ科というものが別に存在するので混同には注意が必要です。


最後に
今回は『テントウムシの幼虫色々。食べ物は?育て方は?』というテーマでお送りしてきました。
当記事で紹介したことを簡単に纏めますね。
- テントウムシの幼虫は成虫とはまた違った姿をしている
- 幼虫の餌は全く同じで、アブラムシを食べる
- 幼虫期間は20日ほどで、さなぎを経て成虫になる(完全変態)
- アブラムシのついた草を用意すれば飼育が可能
- テントウムシには多くの種類が居て、食性も異なる
興味がある方は、是非当記事を参考に飼育にもチャレンジしてみてください。
幼虫は成虫からは考えられない姿をしているけど、意外と共通点も多いんだ。それじゃ、見ていこう。