台湾リスとは?ペットにできる?飼育、餌、寿命、鳴き声は?

台湾リスは中国半島からマレー半島、台湾にかけてアジア全域に生息するクリハラリスの仲間です。元は低山帯から亜高山帯にかけての常緑広葉樹林に生息する台湾リスですが、市街地の緑地や公園、寺院や神社の広葉樹林などでも適応することができるリスです。

そういった台湾リスですが、ペットにしたい!と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。とはいえ、台湾リスをペットとして飼育するには大きなハードルがあるのも事実です。今回は、台湾リスについて解説していきたいと思います。

大きさや外見

台湾リスの体長は20㎝~22㎝で、尻尾の長さは17㎝~22㎝とニホンリスよりも一回りほど大きいのが特徴です。体毛は短く、背部は灰褐色をベースに黒と黄土色の毛が入り混じっており、腹部は淡褐色や赤褐色をしています。

タイワンリスによる被害や影響

台湾リスは神奈川県や長崎県などに観光用として放されて以来、日本全国でその個体数が増加し、現在ではニホンリスの生息数を超えて日本で最も多く生息するリスとされます。とくに鎌倉のタイワンリスは有名で、鎌倉では名物と呼べるような存在にまでなりました。

一方で、台湾リスが増えすぎたことにより、在来種のニホンリスに対する影響はもちろん、農作物や樹木への食害や電線をかじるなどの被害も報告されています。そのため、駆除や処分の対象になっています。

台湾リスの鳴き声

台湾リスは鳴き声を頻繁に上げるリスで、ニホンリスよりもよく鳴くとされています。以下の動画で鳴き声を聞いてみてください。

飼育許可が必要?

先程も述べましたが、その生息数の拡大から、日本の在来種であるニホンリスと競合し、ニホンリスの絶滅要因になる可能性が懸念されています。そのため、2005年に特定外来生物として指定されました。

したがって、台湾リスの飼育には許可を得ることが必須となっています。許可なしに飼育するのは罰則の対象となるので注意が必要です。そういった点で、台湾リスをペットにするのは難しいところがあります。


飼育方法と必要なアイテム

注意点

まず、前述した通り台湾リスの飼育には環境省からの許可が必要となります。環境省に飼育する旨を申請し、許可がおりたら台湾リスにマイクロチップを入れます。

許可された場合は毎年報告書を提出する必要があり、台湾リスが死亡した場合は、死亡した日から30日以内に届け出なければなりません。許可の有効期限は5年間で、その後も更新することが可能です。

用意するもの

晴れて飼育の許可を得ることができたら、飼育するための環境を整える準備をしましょう。まず、台湾リスの飼育に必要となるケージですが、台湾リスは樹上性で運動神経にも優れているため十分に動き回ることができるよう、飼育ケージは高さと大きさに余裕のあるものを使用しましょう。げっ歯類はケージを齧る可能性があるため、錆びにくく丈夫で、健康に害のないものを選びましょう。

ケージ内は樹上性の台湾リスがストレスにならないよう、枝木や巣箱を使用し野生での生息地に近い環境を作ってあげます。

床材は特に決まったものはないので、ウッドチップやペットシーツなど、好みに合わせて選ぶとよいでしょう。しかし、台湾リスは基本的にトイレの場所を覚えないため、床材にはペットシーツを使用すると清掃の手間を省くことができます。

温度について

台湾リスは日本の環境にも適応し、温度調整に神経質になる必要はありませんが、冬場はペット用のパネルヒーターを部分的に設置してケージ内にホットスポットを作ってあげると台湾リスが快適に過ごすことができおすすめです。

性格

台湾リスは臆病な性格であり、人に慣れることはできても、懐くことはほぼないと考えたほうが良いです。懐くペットを期待する場合は他のペットを考えたほうがいいと思われます。過度なスキンシップをとるような飼育はストレスの原因となるため控えてください。

台湾リスの餌

台湾リスは広葉樹の木の実や葉、果物、昆虫、鳥の卵などを食す雑食性です。飼育下では、小松菜やチンゲン菜、豆苗などの葉野菜やリンゴなどの果物の他、ジャイアントミルワームなど市販の餌を与えてあげます。

犬猫に与えてはいけないネギ類やジャガイモの芽などは台湾リスにとっても毒ですので、決して餌にしないよう注意してください。

台湾リスの寿命

台湾リスは野外での寿命は5年程度とされていますが、飼育下ではそれより長生きするものも多いです。飼育下での寿命は10年以上ともされ、16年生きたものも知られているようです。

前述した通り、飼育許可の有効期限は5年間で切れますので、更新することを忘れないようにしてください。

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最後に

台湾リスは日本リスの生息数を超えるなどリスの中では良くも悪くも身近な存在になりました。ペットとして飼育することも不可能ではありませんが、そのためには許可があることが前提となります。リスの飼育に許可が必要だと知っている人は少ないと思うので、十分注意してください。

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