アリは我々にとってもっとも身近な昆虫の1つだと思います。そんなアリですが、様々な種類がいることはご存知ですか?
アリっていうと小さいやつとか大きいやつとかいろいろいますけど、あれはやっぱり種類が違うんですよね?
ここでは、日本にいる代表的なアリを紹介していきます。
クロオオアリ
大きさは1cmほどで、2つ下で紹介するムネアカオオアリと並んで日本にいるアリの中では最大のアリです。
身の回りでもっともふつうにみられるアリの1種で、誰もが目にしたことがあると思います。
クロヤマアリ
大きさは4~6mmほどで、クロオオアリをちびっこくした感じの見た目をしています。
こちらも日本ではよく見られる普通種で、誰もが目にしたことがあると思います。
アリといえば1つの巣の1匹の女王がいるイメージですが、関西型のクロヤマアリは、1つの巣に複数の女王がいるようです。
クロオオアリとクロヤマアリの見分け方
それぞれのアリの胸の部分に注目してみると、クロヤマアリは胸が二山になっているいっぽうで、クロオオアリは丸い感じになっています。
胸の部分ってのは、アリの頭と尻の間のところです。
もっとも、この2種は大きさの違いで見分けるのが一番簡単です。
<クロオオアリ>
出典:http://blog.livedoor.jp
<クロヤマアリ>
出典:http://aiaicamera.seesaa.net
ムネアカオオアリ
https://www.flickr.com
こちらも大きさは1cmほどになり、クロオオアリと並んで日本にいるアリの中では最大となります。
名前の通り胸の部分(簡単に言うと真ん中の部分)が赤くなっています。
蟻といえば土に巣を作るイメージがありますが、このムネアカオオアリは朽ち木や枯れ木といった木に巣を作ります。
そのためそういった木が多い山の中などに多く生息しています。
トビイロケアリ
出典:https://commons.wikimedia.org
体長3mm程度と小さなアリです。
あまりなじみのある名前ではありませんが、このアリも日本では普通種といえる種類です。
1つのコロニー(集団)が数万匹程度(クロオオアリなどだと1000匹程度です)になることもあります。
アリはフェロモンなどで情報を伝えるものが多いですが、このアリは直接触覚をタッチし合って情報を伝えるようです。
またこのアリはアブラムシとの共生関係でも知られていて、アブラムシに食べ物をもらうかわりにアブラムシを天敵から守るという相利共生の形をとっています。
アミメアリ
出典:https://commons.wikimedia.org
こちらも体長3mm程度の小さなアリです。
このアリには女王アリはおらず、オスもいません。かわりに働きアリが少しずつ産卵(単為生殖)して家族を増やしていきます。
また決まった巣をもたないアリとしても知られていて、普段は石の下や枯れた木などに棲みつつ、適宜集団で移動していきながら生活しています。
そのためこのアリが大行列を作って移動している姿も我々の周りで見ることができます。
サムライアリ
出典:https://commons.wikimedia.org
「サムライ」といういかにも強そうな名前をもっていますが、このアリは戦闘力が高く、他の蟻と違って特定の巣は持たず、クロヤマアリ等ほかの蟻の巣を襲い、奴隷化するという特殊な生態をもっています。
言い換えれなほかの蟻が作った巣を自分のモノにしてしまうのです。(上写真は近縁種の北アメリカに棲むサムライアリ)
「アリとキリギリス」で描かれているような働き者の蟻とは無縁に感じますが、このように戦闘力に特化させ、他の蟻を利用して生きるという独特な生きるための戦略をとっているのです。
番外編:グンタイアリ
出典:http://www.monstersproshop.com
軍隊アリは日本では西表島などわずか一部のみで見られる、熱帯原産の蟻です。
異次元の個体数のコロニーをもち、自分よりはるかに大きな動物でも集団で倒すことができる蟻です。
現在進行形でヒアリの侵入が話題になっていますが、このように世界に目を向けると、日本では考えられないようなアリもいます。
最後に
ここでは、日本にいるアリの中から代表的なものを紹介しました。
普段は何気なく見過ごしているアリですが、どの種類のアリなのかも含めじっくり観察してみると意外と面白いこともあるかもしれませんね。