ダイオウイカは開眼目ダイオウイカ科に分類される巨大なイカの一種で、これまで様々なことで話題を集めてたイカでもあります。今回は、ダイオウイカについて調べてみたいと思います。
ダイオウイカの大きさ
世界最大級の無脊椎動物で、日本での発見例は体長1.8〜7m程度ですが、ヨーロッパで発見された個体群は体長18mもあったとされています。
生息域
大西洋、ハワイ島付近、日本では小笠原諸島などの広い地域の深海に生息しています。発見数は少なかったのですが、最近、日本海側で複数例のダイオウイカが水揚げされたり、漂着したりしています。生きた状態で観察されることは少なく、台風で浜辺に打ち上げられたり、死骸が漂着すると言った形で発見されることがほとんどでしたが、2013年にNHKで深海を巧みに動くダイオウイカの映像が放送されました。
ダイオウイカの生態
直径30cmにもなるという巨大な目を持ち、わずかな光でもとらえ深海の暗闇でも見ることができます。アメリカ触手の長さと胴体の大きさに比べ、胴体先端のひれは小さく、泳ぎはあまり上手くないものと考えられていましたが、前述のNHKの映像では小笠原沖650mの深海で光を反射して黄金色に輝き思いのほか巧みに移動する美しいダイオウイカの姿がとらえられています。なお、標本や死んだ個体では表皮がはがれ落ちて白く変色します。
オレンジラフィーやホキといった魚や、アカイカその他の深海に住むイカなどを食すとされています。ダイオウイカの吸盤には硬いノコギリのような歯が円になってついており、獲物を捕まえるときにはこの硬い歯を相手の体に食い込ませて絡み付くものと考えられています。まだ、生態について詳細は不明で今後の報告が待たれるところです。
ダイオウイカの天敵
世界最大級の脊椎動物とされるダイオウイカですが、天敵はマッコウクジラとされています。というのも、マッコウクジラの胃の内容物からダイオウイカの一部が見つかっており、マッコウクジラの頭部に吸盤の後やダイオウイカに寄ると思われる傷が残っているからです。
また、ダイオウイカの卵はクリーム色〜白色でおよそ1mm程度ですが、これが孵化して幼体時浮遊している間に、幼いイカが多くの生物の餌となっているといわれています。
ダイオウイカは食べられる?
さて、このダイオウイカ食べられるのでしょうか?実は食べられます。しかし、アンモニア臭くて今のところ生食用としては不向きのようです。体内には体を浮かせるために塩化アンモニアの入った袋があり、このあたりの処理を上手くすることが必須のようですね。
2015年富山市新湊漁港に水揚げされた全長6.3m、130kgのダイオウイカをスルメイカに加工し、炭火であぶって無料で提供したとのこと。加工には思いのほか難渋し、塩抜き・乾燥などで多くの日数を要したといいます。
ダイオウイカと地震
また先の放送後、2014年〜2015年にはダイオウイカの水揚げが相次ぎ、地震の前兆かと話題になったことがありました。日本では小笠原諸島近海に生息していると言われているのに日本海側で水揚げが続いたということも不思議です。
実は、ダイオウイカは水温6〜10度ほどの深海に生息するとされています。地球温暖化により海水温が高くなり、より高緯度で捕獲される例が他の深海魚でも増加していると言われています。地震との関連についてはまだ詳細はわかりませんが、地震や噴火など地下活動が活発になると水中の環境にも変化が生じるためにリュウグウツノカイなど深海魚が上がってくることは有名で、何らかの環境変化が関係していることは考えられそうですね。
最後に
まだまだたくさんのナゾを秘めているダイオウイカ。どのような生き物なのか、まだまだ興味は尽きませんね。