あなたは、マイマイガという蛾を知っていますか。ドクガ科に分類される蛾の一種で、漢字では舞舞蛾と書きます。マイマイガという名前は、オスがひらひらと飛び回る姿からきているとされています。森林害虫としても知られていて、しばしば大量発生して世間を賑わせてくれます。今回は、そういったマイマイガについて調べていきたいと思います。
大きさや生息域、色
オスは開張4.5~6cmぐらい、メスは6~9cmぐらいと、メスのほうが大きいです。メスの大きさは最大で9cmとそれなりに大きい蛾で、感じ悪いなという方もいるかもしれませんね。オスとメスでは色も異なり、オスは褐色や黒色といった地味な色をしている一方、メスは白色をしています。オスは昼間でも活発に飛び回り、マイマイガという名前もここからきている反面、メスは夜行性で昼間はじっとしています。
アジア、アメリカ、ヨーロッパなど、世界の広い範囲に生息しており、日本にも生息しています。日本のものの学名はLymantria dispar japonicaといいます。
マイマイガの大量発生
マイマイガは7~8月ごろ、しばしば想像を絶するような大量発生をします。いたるところにマイマイガがついている光景は眼を覆いたくなるようなものです。苦手な方も多いと思うので写真は載せないでおきます。
このマイマイガの大量発生は10年周期で起こるとされていて、一度起こってしまうと2,3年は継続するとされています。この仕組みはよくわかっていないのが現状のようです。大量発生が収まる原因として挙げられるのはウイルスなどの天敵になりますが、そういったものがいない地域(人間によって持ち込まれた地域など)では大量発生がとんでもない規模になり、空中から殺虫剤を散布するなどの大掛かりな駆除に至ったこともあります
成虫に限らず幼虫も大量発生しますが、すぐに死ぬ成虫とは違い幼虫は植物の葉を食い荒らすためさらにたちが悪いです。あらゆる草木の葉を食べ、森林が丸裸にされたという例もあります。こういったことからマイマイガは森林害虫としても有名な蛾になります。
マイマイガ対策は?
実際にマイマイガが発生した場合、個人としてできる対策はあるのでしょうか。
卵塊を見つけた場合
マイマイガは卵を1つの場所に固めて産み、鱗毛と呼ばれるもので塗り固められます。こうしてできたいわゆる卵塊は、茶色っぽいしみのような形になっています。もし卵塊を見つけた場合は、はがして捨ててしまいましょう。
特にマイマイガの死骸があった場合、その近くに卵塊が存在する可能性が高いようです。孵化させないことが大量発生を防ぐ第一歩ですので、注視してみてください。
幼虫対策
1cmほどまでであれば、市販の殺虫剤を用いれば駆除できるようです。しかしそれ以上の大きさになると難しいこともあるようです。そうなると見つけ次第捕まえて殺すというある意味不毛な作業になるかもしれません。マイマイガの幼虫を殺すには、水におぼれさせて殺すというやり方があるようです。踏みつぶしてしまってもいいかもしれませんが、なかなか気持ち悪くてできませんよね・・。
成虫対策
蛾といえば光に集まるイメージがありますが、このマイマイガも例外ではありません。多くの虫に当てはまると思いますが、とくに青白い光に集まりますので、そういった光が家や庭から出ないようにするのが大量発生を減らすうえでは有効です。防犯との兼ね合いにもなりますが、遮光カーテンなども利用しながら、蛾が集まる光源をなるべく減らしてください。
マイマイガの寿命
マイマイガの成虫の寿命は非常に短く、6~10日ほどしか生きず羽化してからは何も食べずに死にます。幼虫期間は2か月ほどで、さらに2週間ほどの蛹期間を経て成虫になります。
最後に
いかがでしたか。大量発生して草木を食い荒らす、我々にとってはやはり迷惑な蛾です。大量発生の周期など、謎を秘めたわけのわからない蛾でもあります。