ザトウクジラは、クジラ目ヒゲクジラ亜目ナガスクジラ科に属するクジラです。中型のクジラではありますが、体長はそれでも10mを超え、ホエールウォッチングでも人気の高いクジラです。今回は、そういったザトウクジラについて調べていきたいと思います。
大きさや生息域
オスは成長すると13~14mほど、メスはそれより大きくなり15~16mほどになります。大きなものだと大きさ19mほど、胸びれの長さが6mに達するものも記録されています。最大の記録で言えば、カリブで殺された大きさ27m、重さ90tのメスがいますが、この記録が確かかどうかはわかっていません
体重は25~30tほど、大きなものだと40tほどに達することもあります。ザトウクジラは熱帯から南極周辺までほとんど世界中の海に生息しており、日本近海にも生息しています。
メスは性器のあたりに直径15cmほどの半球状のこぶがあります。これによってオスとメスを見分けることができます。
ザトウクジラの生態
ザトウクジラの食べ物
ザトウクジラは主に夏に餌を食べ、冬になると溜めている脂肪を生活源として生活しています。ザトウクジラはエネルギッシュなハンターです。オキアミや、ニシンやサケなどの群れている小さな魚を食べます。
ザトウクジラは、狩りを行う際に「バブルネットフィーディング」と呼ばれる方法を取ることで有名です。バブルネットフィーディングでは、ザトウクジラがグループとなって餌となる魚の群れの周りを泡を吐きながら泳いでいきます。泡が魚の群れを取り囲むため、群れの魚たちはどんどん中央へと固まっていきます。
この方法は、複数のザトウクジラがしっかり連携しないとうまくいかず、ザトウクジラ内でも役割分担が行われています。泡を吹く役目、魚を上へと追いやる役目、バブルネットへ追い込む役目などです。魚を追い込んだのち、急上昇して魚が集まったところに突っ込み魚を呑み込んでいきます。このバブルネットフィーディングでは、1グループで何千もの魚を呑み込みます。
ブリーチング
ザトウクジラはブリーチングと呼ばれるジャンプを行います。体の2/3からそれ以上が水面へ出るほどの大きなジャンプです。何故行うのかは諸説があり、寄生虫を落とす、求愛行動、メスの奪い合いや子供をシャチから守る為の威嚇、などです。
回遊
ザトウクジラは世界中に生息していますが、夏になると高緯度のほうへ向かい、冬になると低緯度のほうへ向かって繁殖を行うという回遊のパターンをもっています。
ザトウクジラの繁殖
繁殖時期になると、オスはメスを争って激しい行動をとるようになります。ブリーチングも、自分がメスにアピールするためか多く見られるようです。(メスがブリーチングをすることもあります。)
生まれたばかりの子供はお母さんの頭の大きさぐらいで、だいたい大きさ6m、重さは1.8tほどになります。生まれて半年ほどは乳を飲み、それ以降徐々に独立していきます。なお、ザトウクジラの乳は成分の半分が脂肪からできていて、ピンク色をしています。メスは生まれて5年、オスは7年ほどで性成熟に達します。
ザトウクジラの天敵
ザトウクジラを捕食する生き物として挙げられるのはシャチです。つい最近までシャチがザトウクジラを襲うことは目撃されていなかったのですが、最近の研究によりシャチは、若いザトウクジラを襲うことがあり、しばしばシャチによって殺されてしまうことも確認されています。さらに、ザトウクジラのお母さんや関連する大人たちは、天敵から子供を守る行動をすることもわかっています。
シャチについては以下のページも御覧ください。
ザトウクジラの寿命
寿命は45~100年ほどとされています。
最後に
いかがでしたか。ザトウクジラのブリーチングは、ホエールウォッチングで運が良ければ見ることができるようです。