ダーウィンが来た!で登場・鬣のないライオンを解説!

その他哺乳類

あなたは、鬣(たてがみ)のないライオンをイメージできますか?メスライオンは基本的に鬣を持ちませんが、オスライオンであっても鬣をもたない、というのは我々のライオンへのイメージからすればすこし信じられませんよね。ですが、実際にそのようなライオンは存在しています。このライオンがNHKの有名番組「ダーウィンが来た!」においても特集されるようです。今回は、この鬣のないライオンについて掘り下げてみたいと思います。


鬣のないライオンはなんという種類?生息地は?

このライオンはマサイライオンと呼ばれるライオンです。マサイライオンはアフリカ東部に棲むライオンです。このライオンはさまざまな鬣を持つことで知られています。標高800m以上のところに棲むマサイライオンは立派な鬣を持つ一方、じめじめして気温も高いケニア東部、北部などに棲むマサイライオンはわずかな鬣を持つか、あるいは鬣自体をもっていません。

今回の「ダーウィンが来た!」はケニアの南東部に位置するツァボ国立公園というところのものです。この国立公園に生息するマサイライオンはほとんど鬣をもっておらず、ツァボライオンなどと呼ばれています。ツァボのマサイライオンがなぜ鬣を持たなくなったのか、については後述します。

大きさはどのくらい?

マサイライオンの大きさは、尻尾を含んだ長さにおいて、オスの場合およそ2.5~3mぐらいです。メスはやや小型となり、およそ2.3~2.6mぐらいとなります。体重はオスは145~205kgほど。メスの場合は100~160kgほどです。

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なぜ鬣がない?

このことについては主に2つの仮説が立てられています。1つはツァボ国立公園のあたりの気候を原因だとする説です。ツァボ国立公園のあたりは赤道に近く、とても高温です。そんな中で鬣を持っていると熱が逃げず、余計暑くなってしまいます。我々にあてはめれば、真夏にマフラーをしているようなものですね。そのため、進化の過程において鬣は捨ててしまったと考えられています。

また、ツァボ国立公園の場合、が生い茂っています。この藪の中で生きるには、鬣は狩りなんかにおいて邪魔になってしまいます。このことも鬣のないことに関係しているといわれています。動物の進化のすごさを感じますね。

ツァボのライオンはテストステロンというホルモンを多く持っているといわれています。このことは、ツァボのライオンが鬣をもたないこと、攻撃性が強いことから説明できます。テストステロンとは男性ホルモンの一種で、筋肉増大、骨格発達などに関与します。

一方テストステロンの量が多いと暴力的になりやすい、といった研究結果も出ています。またテストステロンがDDT(ジヒドロテストステロン)という物質に代謝されると、薄毛を促します。このようなことから、テストステロンが多いと推測されているのでしょう。

ツァボにいるライオンの頭数

現在ツァボには、ケニア全体にいるおよそ2000頭のライオンのうち、およそ675頭がいると推定されています。ツァボではライオンは保護の対象になっています。とはいえ地元の人に殺されることもあるようで、少し古いデータとなってしまいますが2001年から2006年の間に知られている限りで100頭のライオンが殺されています。

かつて鬣のないライオンは、エジプトヌビア(エジプト南部からスーダンにかけての地方)のあたりにも生息していましたが、絶滅してしまいました。エジプトのライオンは、鬣は基本持っていませんでしたが、首のあたりに毛は生えていたようです。

狩り、群れについて

ライオンといえば群れで協力をして狩りを行うことが多いですが、このツァボライオンは単独で狩りを行うことも多いようです。また通常のライオンの群れは2~8匹ほどのオスがいますが、ツァボライオンの群れの場合、オスは通常たった1頭しか所属していません。その一方、メスは7,8頭ほど所属していることが多いです。

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最後に

いかがでしたか。普通のライオンとは違った点も多いこの鬣のないライオンですが、そのことも彼らの生息地に適応するための戦略なのですね。動物の進化は不思議でかつおもしろいなと感じます。

 

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