リカオンは、ネコ目(食肉目)イヌ科リカオン属に属する犬の仲間で、一見ハイエナのような外見をしている動物です。ここでは、このリカオンについて紹介していきます。
大きさや外見の特徴

体長は80~110cmほど、肩高は60~75cmほど、体重はアフリカ北部では20~25kg、南部では30kgほどになります。オスのほうがやや大きく、メスはオスに比べると3~7%ほど小さくなります。
他のイヌの仲間に比べると、このリカオンはやせていて背が高く、耳が大きく狼爪(上つめ)がないなどの特徴があります。
リカオンの生息域、種類
リカオンはいくつかの種類がいます。以下の表で生息地と簡単な特徴を示します。(和名が調べても出てきませんでしたので、英名を併記しています。カタカナで記したものは正式な和名ではありませんのでご了承ください。)
名前 | 生息域 |
ケープ・リカオン(Cape Wild Dog) | アフリカ南部 |
イースト・アフリカン・リカオン(East African Wild Dog) | アフリカ東部 |
ウエスト・アフリカン・リカオン(West African Wild Dog) | アフリカ中西部 |
チャド・リカオン(Chadian Wild Dog) | チャド |
ソマリ・リカオン(Somali Wild Dog) | アフリカの角(ソマリアなど) |
リカオンの生態
リカオンの食べ物
リカオンは主に中型のアンテロープ(インパラやガゼルなど、アフリカやアジアの枝分かれしない角をもつウシの仲間の総称)を食しています。東アフリカの個体はトムソンガゼルを、南あるいは西アフリカの個体はインパラやスプリングボックなどが主な餌となります。もちろん、これ以外の動物を食べることもあり、ヌーやアフリカスイギュウ、グラントガゼルなどの大型の動物、或いはネズミなどもっと小さい動物を狙うこともあります。
狩りは昼間に行い、主に視覚で獲物を探します。また、集団で狩りを行うのも特徴です。狩りの成功率は高く、80%ほどの狩りが成功するとされています(ちなみに、百獣の王と呼ばれるライオンの成功率は10%といわれています)。このようなことから、「アフリカの狩猟犬」という異名をもちます。
集団生活
リカオンは群れ(パック)をもって集団生活を行います。パックにおける繋がりはライオンやハイエナなどよりもつよく、単独行動する個体はめったにいません。
パックは2~27頭ほどのおとなと子供で構成されており、大人の数の平均は4~5頭という調査結果や、8~9頭という調査結果などがあり、地域によってこの結果は異なるようです。
オスとメスでは支配階級が分かれており、メスの間は年齢の最も大きなメスが頂点となりますが、オスの間の場合は必ずしも年齢によっては決まらないようです。オスを統率するオスリーダー、メスを統率するメスリーダーの2匹がパックを率いることになります。また、原則としてオスは生まれたパックに留まりますが、メスは成長すると他のパックに移動します。
天敵はいる?
リカオンの天敵として挙げられるのはライオンが挙げられ、ライオンが豊富にいる地域ではリカオンの数が少ないというデータもあるようです。しかしながら、ライオンの数がリカオンの数を左右するレベルかは何とも言えず、リカオンの群れがライオンに対し防御に成功する姿も観察されています。
リカオンの狩りについて
リカオンは前で述べた通りパックで協力して狩りを行い、高い狩りの成功率を誇ります。狩りの様子に興味がある方は、以下の動画も参照して下さい。※動物の狩りの動画です。ショッキングな場面が含まれますので、苦手な方は閲覧を避けるようにしてください。
動物園にいる?
リカオンを飼育している動物園は日本にいくつかあり、富士サファリパークやよこはま動物園ズーラシアなどで飼育されているようです。リカオンを見てみたい方は、このような動物園を訪れれば見れると思います。※最新でどうなっているかはわからないので、確実に見たい方は問い合わせてください。
最後に
写真を見ると普通の大型犬のような感じに見えるかもしれませんが、集団での結びつきが強く狩りの成功率も高い、非常に獰猛かつ恐ろしい動物です。実物を見たい方は、動物園を是非訪ねてみてください。