アルマジロはアリクイの仲間の哺乳類で、北アメリカから南アメリカ、アルゼンチン周辺にかけて乾燥した草原や森林地帯に生息しています。
そんなアルマジロを、ペットとして飼ってみたいという方もいるかもしれませんね。ここでは、そんなアルマジロについて、生態や飼育が可能なのか考察していきたいと思います。
アルマジロの特徴・生態
まずは、アルマジロがどのような生き物なのか、生態や特徴を解説していきます。ペットとしての可能性を考える前に、生態を軽く把握しておきましょう。
外見上の特徴
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アルマジロは、原始的な哺乳類の1種で、鎧を纏ったような非常に硬い背中が特徴的です。この硬い背中は、鱗甲板という体毛がうろこ状に変化したものです。
体色は灰色または褐色です。
この鱗甲板は大変防御力に優れており、猛獣の牙や爪でも簡単に傷つけることはできず、時には銃弾を跳ね返すほどの硬度を持ちます。
アルマジロという名前は、「武装したもの」を意味する armado という単語に由来しています。アルマジロの特徴を考えれば、このことも納得がいきますね。
アルマジロというと、固い鎧を丸めて外敵から身を守るイメージがありますが、完全にボール状に丸くなれるのは、ミツオビアルマジロ属に所属する2種類のみとされています。
アルマジロの食べ物
アルマジロは雑食ですが、主に食べるのは昆虫など動物性のものです。アルマジロの胃の中身を解析した結果によると、アルマジロが食べたものの9割以上を動物性のものが占めていたようです。
動物性のものでいうと、甲虫やカタツムリ、蟻、小さな爬虫類などといった数多くの種類のものを食べています。極稀に死肉や鳥の卵、小さな哺乳類等を食べることもあります。
餌をさがす際には、主に嗅覚をもって餌をさがします。地面の下の深さ20cmほどにいる小さな獲物でも、感知できるほど鋭い嗅覚を持っています。
餌を見つけると、前足を使って地面を掘って獲物を捕らえます。
アルマジロが指に鋭い爪を持っているのは、このような習性をもつのが理由です。
アルマジロの性質
アルマジロは基本的に活発な性格ではなく、単独生活を行います。一方でメイティングシーズンになると、相手に蹴りを入れたりなど意外な一面を見せることもあります。
アルマジロは山を登ったり、泳いだり、ジャンプしたりすることもでき、身体能力は意外と高いようです。
アルマジロは独特な酸素をため込むためのシステムを持っており、6分間ほど息を止めることができます。そのため、川や池の底を歩いて渡ったりすることもあります。
水底を歩いて渡れない場合、アルマジロは胃や腸を膨らませ、浮力を高めます。このことにより、水中を泳いで移動することもできます。
アルマジロの寿命
アルマジロの寿命は、7~20年ほどといわれています。
幼少期は身を守るための堅い鱗甲板が十分に発達していないため、おとなに比べると死亡率はかなり高くなっています。
ハンセン病にかかることもある
アルマジロは体温が低いことなどから、感染症や寄生虫の影響を受けやすい生き物です。アルマジロに感染する菌の中には、らい菌というハンセン病を引き起こす菌も含みます。
アルマジロは人間以外に「ハンセン病」にかかる唯一の生き物として、ハンセン病の研究にも用いられています。
アルマジロの種類
その分布の広さから生息地によって体格などに様々な変化が見られ、たくさんの種類がいます。
例えば、アルマジロの最大種である「オオアルマジロ」は体長75㎝~100㎝ほどに成長し、尾は50㎝ほどの長さがあります。
一方、最小種は「ヒメアルマジロ」で、体長は約10cm、尾は約3cmほどの長さと大変小柄で、最大種との大幅な差異があることが分かります。
他にも最も広い範囲に生息するとされる「ココノオビアルマジロ」、小型の「ピチアルマジロ」、ペットとして飼育されることも多く、実際に一番飼育しやすいとされる「ムツオビアルマジロ」などがいます。
飼育したいと思う方は、まずはこのムツオビアルマジロをまず検討するのが無難だと思います。
ペットとしてのアルマジロ
アルマジロは意外にも人に懐く性格であり、近年、海外ではペットとして飼育される事例も多くなっています。
哺乳類のアルマジロのほかに、特徴や習性がほぼ同様のアルマジロトカゲという爬虫類も存在し、どちらも近年ペットとして人気を高めています。
日本でのアルマジロの飼育には特別な許可や申請を必要としません。飼育する環境を十分に整えることができ、経済的に余裕があればペットとして飼育することが可能です。
続いて、アルマジロの飼育について解説していきます。具体的に飼育を検討するとなれば、飼育法をしっかり学ぶ必要があります。
マイナーなペットなので情報が少ないのが難点ですが、分かる範囲で飼育法を紹介していきます。是非参考にしてみてください。
アルマジロの飼育方法
飼育ケージ
アルマジロは1日の多くを寝て過ごすため、極端に大きいケースを用意する必要はありませんが、できるだけ大きいケースを用意してやることで、ストレスを軽減できます。
水槽のような入れ物を使うなら最低90cm程度は欲しいところです。
理想は庭の一角を飼育スペースとして大型犬用の囲い等で覆うことです。ですがアルマジロは地面を掘る性質があるので、地下を通って脱走する可能性があるので注意が必要です。
また、アルマジロは低温に強くないので、涼しくなって来たら屋内で飼育しましょう。
鋭い爪を持っているので、段ボール箱などの破壊しやすいものを入れ物に利用するのは避けてください。
床材
これまでも述べてきたように、アルマジロは地面を掘る性質があるので床材は必須です。
牧草やウッドチップなど、潜ることができるものを敷いておきましょう。新聞紙をバラバラに破いたものなどでもOKです。
ヒーター等の温度管理アイテム
アルマジロは先程述べたように、低温の環境は苦手です。
そのため、寒い季節は屋内で飼育し、ヒーターやエアコン等で加温してあげましょう。
また、アルマジロは乾燥した環境も苦手で、皮膚や甲羅にトラブルが起きる可能性が高くなります。
そのため空気が乾燥している場合は、加湿器等を使うなど湿度を上げるための工夫をしてやるとよいでしょう。
日常の世話
アルマジロは完全に室内飼育をすることも可能ですが、小さなケースで飼っていると運動不足になります。
運動不足解消のためにも、できれば庭に連れ出し散歩させてあげましょう。散歩をさせる際はダニやノミに気を付けなければなりません。
外の空気を吸わせるに越したことはないですが、部屋の中を散歩させてもOKです。もともと暑い地域の生き物なので、寒い季節は必ず部屋の中を散歩させてください。
また、アルマジロは水を好む動物なので、時々プール等を用意し、水を入れて泳がせてあげると良いでしょう。泳ぐことは、体温を涼しく保つことにも一役買います。
餌は何?
アルマジロは肉食の強い雑食性であり、野性下では昆虫類や爬虫類を食べます。飼育下ではメインとなる食べ物はドッグフードやキャットフードで代用可能です。
このほかにバナナやリンゴなどの果物や野菜、コオロギなどの生餌を与えてあげるとストレス解消になるためおすすめです。
人工フードだけでは栄養が偏りやすいので、必ず野菜や餌用昆虫などの加工されていない餌を織り交ぜて与えてください。
アルマジロの値段
アルマジロの値段は種類によっても変わってきますが、だいたい30~40万円以上はします。
そのため、ある程度お金に余裕がある方でないと飼育は難しい動物ですね。
最後に
今回は『アルマジロはペットにできる?餌、値段は?特徴は?』というテーマでお送りしてきました。
いかがでしたか。日本ではマイナーなペットなので、まだまだ飼育するには情報不足だったりで苦労することも多いと思います。
とはいえ、特別な許可や申請は必要ないので、経済的な余裕や飼育する覚悟があれば飼育することも十分可能な生き物ともいえます。
興味がある方は、当記事を参考に飼育を検討してみては・・・・?