アメリカヤマシギは、チドリ目シギ科ヤマシギ属に属する鳥で、ノリノリで踊る鳥として話題を集めているようです。
ここでは、このアメリカヤマシギについて調べてみました。
大きさや外見の特徴
体長25~30cm、体重140~230g程度の大きさで、一般的にメスのほうが大きくなります。くちばしが長いのも特徴的で、くちばしの長さは最大で7cmほどになります。
丸々とした体が特徴的で頭も丸くて大きく、長くまっすぐなくちばしをもっています。一方で足が短いのも特徴的といえます。
頭部の上の方の部分に大きな目をもち、視野は鳥の中で最も広いといわれています。水平面は360°、垂直面は180°が視野に入るとされています。
アメリカヤマシギの生息域
アメリカヤマシギはアメリカ合衆国東部、カナダ南東部といった地域に生息しています。カナダ~アメリカ北部にはブリーディングシーズン(夏)のみ見られ、冬季は南下します。アメリカ南部ではフロリダ半島南部など一部を除き周年見られます。移動は主に夜に行います。
飛ぶスピード
アメリカヤマシギが移動する際のスピードはだいたい26~45km/hほどといわれています。一方で、8km/hという鳥の飛ぶ速度を計測した中では最も遅い記録を計測したこともあります。このことから、最も飛ぶのが遅い鳥としても有名です。
アメリカヤマシギの生態
アメリカヤマシギの餌
アメリカヤマシギは主にミミズ、クモ、アリ、昆虫の幼虫などといった無脊椎動物を食べて暮らしており、中でもよく食べるものにはミミズの仲間が挙げられます。長いくちばしを用いて、土の中を探りながら獲物を見つけます。特に湿った土を探ることを好みます。
求愛ダンス
アメリカヤマシギの特徴の1つが、何といってもこの求愛ダンスです。春になると、オスは主に夜明けや夕暮れに空中でメスの気をひくためのダンスをします。ここでは、まず地面で一連の鳴き声を上げ、その後に45~90mほど上空へ羽ばたき、鳴きながら降りてくる一連の求愛ダンスをします。
オスのこの一連の鳴き声や空中でのダンスにメスが気付くと、メスは飛び立ってオスの近くへと向かいます。そうするとオスはこのメスを自分のものにするため、また違ったダンスをします。このダンスは地面の上で行い、羽を垂直に立てて独特の歩き方をします。
繁殖形態
アメリカヤマシギの巣は浅く、簡素なつくりをしています。巣は地面に作り、巣を作るのはメスの役目となります。1度に3~4個の卵を産み、抱卵期間は20~22日程度となります。
雛は早熟で、生まれて数日で巣を離れます。抱卵や孵化した雛に餌を与えるなど、こどもの世話もメスが行います。2週間程度で少しずつ飛ぶことができるようになり、もう1週間たてば安全に飛行ができるようになります。5週間もすれば親から離れ独立します。
雛は脅威を感じると、じっとして敵が去るのを待ちます。雛の色は生息環境の色とよく似ていてカモフラージュすることができ、隠れてじっとすることで天敵から身を守ることができます。いっぽうで、脅威を感じた雛が親のもとへ寄り添って、親が安全な場所へ運ぶシーンも観察されているようです。
アメリカヤマシギの寿命
アメリカヤマシギの寿命は最大で8年ほどとされています。
最後に
アメリカヤマシギは日本にはいない種類ですが(アメリカヤマシギのようなダンスをするという情報はないようですが、ヤマシギと呼ばれる鳥は日本にいます)飛ぶのが遅い鳥として記録されていたり、特徴的な求愛ダンスを行うなど面白い鳥です。求愛ダンスは現地でも話題になることがあるようで、多くの動画が挙がっています。実物も見てみたいですね。