あなたは、ボルネオゾウというゾウを知っていますか。知っていたらなかなかの動物マニア!ともいえるかもしれませんね(笑)。文字通りインドネシアとマレーシア、ブルネイ・ダルサラームの領土になっているボルネオ島に棲むゾウで、世界最小のゾウだといわれていたりします。現在はアジアゾウの亜種であるスマトラゾウのシノニム(同じ種類の動物において学名が異なること)として扱われています。一方で遺伝的にはほかのゾウと結構差があるようです。
またこのゾウは年々数が減少しており、なかなかのレアものとなってしまっています。今回はこういった個体数の減少なども含め、ボルネオゾウについて調べていきたいと思います。
ボルネオゾウは世界最小?
ボルネオゾウは先程述べたように世界最小のゾウだといわれています。ゾウといえば「大きい」が1つの代名詞なので世界最小というと少し拍子抜けするかもしれませんね。英語ではBorneo pygmy elephantと書くこともあります(pygmyとは小人などを意味し、小さいことを表す語です)。では実際、ボルネオゾウは世界最小のゾウなのか?といわれれば、必ずしもそうとは言い切れない部分もあるようです。
というのも、サバ州のゾウ(サバ州はボルネオ島にあるマレーシアの行政区の1つです)とマレー半島のゾウの大きさを比較したところ、あまり違いはなかったようです。一方、同じサバのGomantong Forestというところの大人のメスの頭蓋骨の大きさはスマトラ島のものの頭蓋骨より2割ほど小さかったようです。
実際のところはボルネオ島のゾウはゾウの中では小型とはいえ、すべからく世界最小といえるかといえば少し疑問が残るといった感じではないでしょうか。
ボルネオゾウの個体数の減少
今日有名となっているアジアゾウが侵されている脅威としては、生息地の減少や退化などが挙げられていますが、これらは人間の人口の拡大やによって引き起こされ、ゾウが作物を食べたり踏みにじったりしたときに生じる人間とゾウの間の対立を生じさせています。人間の人口拡大はゾウたちの移動路を断ち、食料源をなくし、そして生息地を破壊する結果になっています。
このことはボルネオゾウにおいても例外ではなく、ボルネオゾウの総数は減少を続けています。このことは保護林がダメージを受けたことなどに起因しています。
ボルネオゾウの保護
ボルネオゾウは遺伝的にもほかのゾウと差があります。そのこともありボルネオゾウの保護はアジアゾウの保護の中でも最優先事項となっています。マレーシアではボルネオゾウをハンティングすればいかなる人でも$RM 50,000(日本円で130万円ほど)の罰金が科されたり、5年間刑務所に入れられたりします。
なお、オレゴン動物園というアメリカにある動物園では親のいなかったチャンドラという名の21才のメスが保護され飼育されているようです。彼女はパーム畑に入って人間に傷つけられ、空腹状態で見つかりました。彼女の子孫を残すための取り組みもなされているようです。
ボルネオゾウの性格や生態
ボルネオゾウは基本的におとなしい性格です。人間が飼いならしたものの系統をひいているのでは、と考えている科学者もいるほどです。なお、基本的にアジアのゾウはアフリカのゾウよりは性格はおとなしいです。ゾウの性格や生態は以下のページをご覧になってください。
最後に
いかがでしたか。いたるところで話題になる動物の生息地の減少。人間も生活が懸かっているので致し方ない部分も多少はあるのかもしれませんが、なるべく早く歯止めがかかるとよいですね。