オオクワガタといえば、国内のクワガタでも最も人気を誇るクワガタです。かつては「黒いダイヤ」などとも呼ばれ、とんでもない値段で取引されていました。今では値段は落ち着いていますが、ほかのクワガタと比べると希少なことには変わりありません。実際に絶滅危惧II類にも指定されています。ブリード品がこれでもかと出回っているため絶滅することはないでしょうが、生息地の減少が懸念されています。
そういったオオクワガタですが、あなたは採集したことがありますか?実際、オオクワガタの採集はほかのクワガタと比べても格段に難しいです。今回は、オオクワガタの採集法についていろいろと調べてみようと思います。
オオクワガタはどこにいる?
日本全国に分布しています。とはいえほかのクワガタたちと比べると生息地は限られており、局所的といえます。どちらかといえば低地に多いようです。じゃあ具体的にどこやねん、といえばブナの原生林、台場クヌギなどが挙げられます。台場クヌギのような木を探すのが一番わかりやすく手っ取り早いと思います。
台場クヌギとは、簡単に言えば幹のところが信じられないほど太いクヌギの木です。古代から伐採を何回か繰り返すことにより、あのような姿となりました。台場クヌギには大きなウロなどが存在していることが多いため、オオクワガタが好む木といえます。台場クヌギでなくても、大木の木のウロなどにいることもあるようです。採集には様々なやり方があるようですが、こういった比較的大きく太い木のウロを探すのが1つの方法です。
オオクワガタの3大生息地
オオクワガタの3大産地として、山梨県韮崎市、大阪の能勢、九州の筑後川が挙げられます。とはいえこの3大産地は以前から有名で、採集者も増えたため昔ほどは取れなくなっていると思われます。
この3大産地以外の県でも採集報告はされているので、3大産地にこだわる必要はないといえるでしょう。もっと具体的な情報が知りたい方も多いと思いますが、詳細な産地を公表するとその場所にオオクワ目当ての人間が集い、乱獲される危険性があるため詳細な産地はあまり公表されていません。今やインターネットは万人が使うツールと化しているため、なおさらそういった情報は公表されないほうがよいでしょうね。
オオクワガタ採集の時期、必要な道具
活動期は5~9月ごろです。オオクワガタの寿命は数年あり、冬のあいだは朽ち木の中などで越冬しています。冬場でも朽ち木をほじくれば出てくる可能性はあるかもしれませんが、やはり一般的には夏に探す方が多いと思いますので、以下では主に活動期においての探し方を説明していきます。ここで、採集するのに必要な道具については下の参照の欄で紹介しているのでこちらをご覧になってください。
参照:カブクワ採集に必要な道具
採集方法① ルッキング採集
オオクワガタは先程述べた通り木のウロなどにいることが多いです。そのため、オオクワガタがいそうなウロを見回っていくのが1つの手段です。採集に適した時間は夜です。昼間の間に目星をつけておくとよいでしょう。このやり方が採れる可能性が一番高いようです。同じくウロによくいるクワガタとしてはヒラタクワガタが挙げられます。
オオクワガタは用心深く、たとえ見つけても素早くとらないとウロの奥に行ってしまいます。こうなるとお疲れ様です。オオクワでなくてもヒラタクワガタなどでこういう経験がある方は多いのではないでしょうか。もし見つけることができれば素早くとることがポイントです。
採集方法② 木をキック
木を蹴ると運が良ければオオクワが落ちてくることもあるようです。ハチの巣など危険なものがないか確認してから蹴ってください。
採集方法③ 灯火採集
オオクワガタのメスは比較的飛翔性が高く、灯火にやってくることがあります。オスもないとは言えませんが、メスに比べるとやってくることは少ないようです。採集のついでに自動販売機や街灯なども見てみるといいと思います。なお灯火採集では、ノコギリクワガタやミヤマクワガタが採れることが多いです。
最後に
オオクワガタ採集はほかのメジャーなクワガタと比べると格段に難しく、なかなか取れないと思います。とはいえ、その分見つけたときの喜びはひとしおですし、やりがいもあるでしょう。採集できれば多少もったいない!と思うかもしれませんがその場で逃がすか、大切に飼育してあげるかしてやってください。飼育方法についてはクワガタの飼育法を参照してください。
近年、オオクワガタの別産地同士のものや海外のものとの交雑が起こっているようです。取れた場所以外での放虫は控えてください。またオオクワガタの生息地を守るためにも木を傷つけたり、破壊するような行為は避けてください。これはオオクワガタに限った話ではないですが・・。