サワガニといえば、われわれにとっても比較的なじみ深い、小さくてかわいいカニですよね。
ここでは、サワガニの特徴や飼育方法などについて、幅広く解説していきます。
サワガニの大きさや外見の特徴
サワガニの大きさは甲羅の幅は2-3cm、足を含めると最大7cm程度になります。
一般的に甲羅の色が黒っぽい茶色、足の色が朱色~オレンジ色をした個体が多いですが、全体的に茶色~褐色っぽいもの、中には青っぽい色をした個体も存在しています。
<一般的なサワガニ>
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<青色のサワガニ>
なお、青いサワガニがどういう経緯でできるのか、突然変異なのか、遺伝的なものなのかはあまり詳しく分かっていません。一部地域では、青いサワガニは「シミズガニ」と呼ばれています。
サワガニの生息域
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サワガニは日本固有の種で、一生を淡水の中で過ごしています。
日本の中でも青森県からトカラ列島のあたりまでに生息しています。
北海道にも移入されたものが生息しているという情報もありましたが、実際は生息していることは確認されておらず、おそらく同じカニの仲間であるモクズガニの誤認だと思われています。
参考記事:モクズガニ(モズクガニ)の飼育法、餌は?食用になる?
サワガニの餌
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サワガニは雑食性です。自然界では水生昆虫から陸生昆虫、ミミズ、藻類など多くの種類の生き物を食べます。
飼育下においてはごはんつぶやキャベツ、イトミミズ、カツオブシなどを与えることになります。
色々なものを食べさせることで栄養バランスも良くなるので、植物性の餌、動物性の餌をバランスよく食べさせてあげるのがおすすめです。
意外と植物性の餌も大切だから、キャベツなどの葉ものも与えてあげるとよいです。
市販されているザリガニの餌等を使うこともできます。
サワガニは基本的に少食なので、餌は2日に1回、少量を与える程度でもOKです。
サワガニの天敵
サワガニには天敵も多く、自然界だとヒキガエルやサギやカワセミなどの鳥、イタチなどの哺乳類が天敵になります。
サワガニの寿命・ライフサイクル
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サワガニの寿命は数年~10年ぐらいといわれています。
サワガニは春から秋に活動して、冬場は岩陰などに隠れて冬眠しています。
ちなみに交尾をするのは春~初夏ぐらいで、メスは交尾が終わった後数十個の卵を産みます。
サワガニの飼育法
飼育容器のセッティング
まずは入れ物を用意します。
入れ物は何でも構いませんが、ある程度底が広いものを選ぶことをお勧めします。というのもサワガニは運動量が意外と多いので、なるべく広いケースを使用するほうが長生きしてくれる傾向にあります。
普通に水槽や昆虫の飼育ケースなどを使えばOKです。
入れ物を用意したら、その容器の中に砂利などを敷きます。斜面を作り、陸地となる部分を作ってあげるとベターです。
陸地はなくても死ぬことはありませんが、サワガニは水から出ることも多い生き物なので、陸地があるとより自然に近い環境で飼育でき、サワガニにとっても暮らしやすい環境になります。
そこまでできたら、水を入れましょう。水の深さは浅くてもかまいませんが、あまりに浅いと水温変化が激しくなるため、3~5cm程度にするのがベストでしょう。
水道水を使う場合は、2~3日(最低1日)汲み置きしておいたものを使ってください。水道水をそのまま使うことはできませんので注意が必要です。
サワガニが隠れることができるように、植木鉢を用意したり、遊び場として枝や石等も入れてやりましょう。水草等を入れてあげるのもGOODです。
水替え
サワガニはもともと水がきれいなところに棲んでいます。
サワガニは綺麗な水の指標生物とも言われるぐらい、綺麗な水を好みます。
汚れた水は苦手なので、水が汚れているなと感じたら水替えが必要です。この際、水は全とっかえしても問題ないようです。
水替えのペースは目安としては週1~2回です。また、餌の食べ残し等の汚れも水汚れを防ぐために片づけてあげてください。
温度
サワガニは国内産の生き物とはいえ、暑いところは苦手です。
水温が30℃を超えたりすると危険なので、暑い日は注意して管理してください。
あまりに水が浅いと暑さの影響を受けやすいので、先程述べた通り最低でも水は3cmぐらいは入れてあげてください。
多頭飼育はできる?
サワガニは比較的共食いは少ないので、多頭飼育もできないことは有りません。
※脱皮直後だと、共食いの危険性は高まります。
ですが、多頭飼育はやはりストレスがかかるので、なるべく少ない数で飼うのがベストです。
やむを得ず多頭飼育する場合は、過密になり過ぎないよう大きな入れ物を使うようにしてください。
サワガニの食べ方は?
出典:https://blogs.yahoo.co.jp
サワガニは食用として利用することができ、丸ごと佃煮にしたり、から揚げにしたりします。
食べたことがない人も多いと思いますが、結構おいしいようです。
ただし、サワガニを食べるうえでは、絶対に注意しないといけないことがあり、それは多くのサワガニには「肺臓ジストマ」という寄生虫がいるということです。
寄生虫は70度以上の高温で死滅するとされています。
これは肺気腫とかの危険な病気を誘発することがあるため、サワガニを食べる場合は必ず「火を通して食べる」ということを守ってください。
最後に
サワガニはポイントを押さえれば飼育することも難しくありません。
興味のある方は、当記事を参考に飼育にもチャレンジしてみてくださいね。