ウバザメについて解説!大きさや生態は?絶滅危惧種?

魚類・甲殻類

ウバザメとは

ネズミザメ目ウバザメ科に属し(一属一種)、世界中の海(主に温帯海域)に生息しています。基本的に水温は8~14.5℃程度の環境を好みますが、熱帯地域の海でも確認されており、幅広い環境で適応できるサメのようです。しばしば陸の近くで見られることもあります。

ウバザメの大きさはだいたい6~8mほど、重さは5.2tほどとなります。9~10mほどの個体も存在しますが、極めて稀です。

これまで確認された中で一番大きな個体は、カナダのファンディ湾で見つかった12.27mのものが挙げられます。ノルウェーで13.7mの個体がいたという報告もありますが、信ぴょう性に乏しいようです。

ウバザメは世界で2番目に大きいサメです(1位はジンベエザメ)。もっとも乱獲の影響からか、最近は大きな個体を見られることは少なくなっているようです。

参照:ジンベエザメの生態や大きさは?見れる水族館はどこ?

日本では、9mの個体が網にかかっているのが、瀬戸内海で確認されたことがあります。一方で最近、日本近海ではウバザメ自体を見ることが少なくなったようです。

同じネズミザメ目のホホジロザメなどと外見がよく似ており、間違えられることもしばしばですが、ウバザメには幅1mほどに達する空洞状の口があることなどから見分けることが可能です。また、ホホジロザメに比べると歯は小さく、歯の大きさは5~6mm程度です。また、ホホジロザメのような鋭い歯を持っているわけでもありません。

ウバザメは、メガマウス、ジンベエザメと並んで三大ザメの1種としても挙げられます。

この3種はすべてプランクトンなどを餌にしていますが、ウバザメは口を開けて自然と入ってくる水から餌を摂取する一方で、残りの2種は自ら水を飲み込みにかかります。

参照:メガマウスについて解説!大きさや生態は?地震の前兆?

ウバザメの生態

ウバザメの食べ物

ウバザメは動物性のプランクトンや小さな魚、無脊椎動物などを餌としています。サメといえば大きな魚も飲み込むイメージがあるかもしれませんが、このウバザメに関してはこのようなイメージはあまり当てはまりません。

口を開けて泳ぎながら獲物を捕らえます。口を開けて海水を呑み込み、鰓耙(さいは)と呼ばれるエラの付属器官でプランクトン等を漉しとって摂取します。水を飲み込む量は非常に多く、1時間当たり2000Lもの水を飲み込むといわれているとか。

天敵はいる?

ウバザメに天敵はほとんどいませんが、シャチがウバザメを食す姿がニュージーランドやカリフォルニアで確認されたことがあります。またイタチザメなども、ウバザメを捕食することがあるようです。

参照:海洋生物最強のシャチ!天敵はいる?人間との関係は?

ウバザメの生活史

ウバザメは冬眠することはなく、1年中活動しています。冬になるとより深くへ移動したり、より暖かい地域へと移動したりします。ウバザメは海中深くへもぐることもでき、水深900m以上潜ることができることも明らかになっています。

このように回遊性のサメで長距離を移動することもありますが、移動する理由も含め、詳しいことはよくわかっていないようです

人間を襲う?

大きなサメというと人間を襲うような恐ろしいイメージが先行しますが、このウバザメに関しては人間に危害を与えることはほとんどありません

というのも、もともと上記で述べたように濾過(ろか)捕食者で、大きな獲物を襲うようなことはなく、加えてホホジロザメなどと比べても動きは遅くおとなしい性格なので、余程のことがない限りは人間を襲うことはありません。

なお1937年には英国ではブリーチング(ジャンプ行動)をしたウバザメが偶然船を転覆させてしまい、乗っていた3名が亡くなってしまうという事件があったようです。大変大きなサメであるため、このように意図せぬ形で人間に危害を加えてしまう可能性はないとは言えないでしょうね。

寿命は?

ウバザメの寿命は20~100年ほどとされていて、平均的な寿命は50年程度とされています。

絶滅危惧種?

ウバザメの生息数は減少傾向にあり、EN(ENDANGERED)としてIUCNのレッドリストにも記載されています。

泳ぎが遅く攻撃性も低いため、かつて生息数が豊富だったころは食用に加え皮膚を皮製品に利用したり、肝臓から油をとるなど、人間によく利用されていたサメでした。しかし人間よる乱獲により急激に生息数が減少したため、イギリスやアメリカなどの国では現在は捕獲自体が禁じられています。

泳ぎが遅く攻撃性も低いため、人間にとっては捕獲が容易であったのが、かえって乱獲を促進してしまったようです。

水族館で見れる?

ウバザメを飼育している水族館は現状ないようです。もともとウバザメは生息数が減っており、保護種となっていることや、飼育が難しく費用対効果に欠けることなどが理由のようです。そのため、ウバザメを水族館で見ることはできず、実物をお目にかかる機会は基本的にないと思われます。

したがって、実物を見たい場合は、ダイビングなどを通してみるしかなさそうですね。

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最後のまとめ

最後に主な内容を簡単にまとめておきます。

  • ウバザメは世界で2番目に大きな魚類で、極めてまれではあるが大きいものでは体長9~10mを超えることもある
  • 口を開けて水を飲みこみ、水中のプランクトンなどを餌としている
  • おとなしい性格で水中の小さな生き物を餌としているため、人間を襲うことは基本的にない
  • かつては様々な形で人間に利用されていたが、現在は個体数が大きく減少しており、絶滅危惧種として扱われている

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