ヨウム(洋鵡)はアフリカ西海岸の森林地帯に生息する大型のインコです。オウムと間違えそうですが、オウムとインコは同じオウム目ですが、基本的には、「インコ」は「ヲウム目インコ科」と「ヲウム目ヒインコ科」、「ヲウム」は「ヲウム目ヲウム科」に属する鳥を指します。知能が高く、物まねも得意でペットとして飼われることもあります。今回は、そういったヨウムの飼育は難しいのか、どうやって飼育するとよいのかについてみていきたいと思います。
ヨウムの大きさや外見
体長は約33cm、体重300〜500g程度で、淡い灰色の羽根に包まれています。大きさから言ってもインコというよりオウムに近い印象があります。顔は白く、嘴は黒で、目は黄色から白の虹彩があり、赤い尾羽をもっています。オウムのように頭のてっぺんの冠のような羽根はありません。
ヨウムの鳴き声 会話できる?
知能が高く、人の言葉をよく覚え、言葉をまねるだけでなく会話ができる能力があるとされ、ペットとして人気があります。ヲウムよりも声は穏やかで静かですが、あまりにも上手にサイレンや電子音までまねてしまうため、人間の方が勘違いをさせられることもあるようなのでご注意を。
オウムより穏やかとはいえ、結構大きな声で鳴いたり、話したりしますし、室内でケージに入れて飼うことになりますから、部屋の防音が必要になります。
ヨウムの寿命
平均寿命はおよそ50年となります。人間のように反抗期があり、その時期には攻撃的になることがあります。その高い知能と物まね上手ゆえにペットとして飼われることは多いのですが、50年の寿命を考えると、長い期間責任を持って飼い続けられるかということを、他の生き物と比べて、より考えないといけないところがあります。
ヨウムの餌
ヨウムの餌は、果実や種子、花や昆虫などで、本来は群れで採食することが多いとされます。果物や種子の他に、市販されているインコ用のペレットがあると、補助栄養も配合されていることが多いので栄養管理が行いやすくなります。
もちろん水浴びや日光浴も大好きですし、ヨウムは特にビタミンD3不足に陥りやすいため、安全な環境でケージから出し、水浴びや日光浴をさせてビタミンD3を産生できるようにしてあげましょう。なお、アボガドやタマネギ、チョコレート、リンゴの種は与えないようにしましょう。
大きなケージが必要
また、ストレス解消のためにも一日に一回は放鳥してあげた方がよいので、部屋もそれなりに広いほうがよいですね。ケージはオウム用のものを準備しましょう。一日に一回放鳥できればよいですがそれが難しい場合はそれなりのケージの大きさを用意するということになります。長寿で声が大きく、部屋もそれなりに広さが必要と、飼育するにはいろいろな問題があります。
保護施設がある??
これまで述べたことが影響しているのか、日本ではインコやオウムの保護施設もあるのです。保護された理由は、大きな声でしゃべったり、鳴いたりして近隣とのトラブルになったり、飼い主さんが亡くなって行き場がなくなったりと様々。
足に鎖をつけるのはNG
一昔前は、足に鎖がついているオウムを見かけました。ヨウムもこのような飼い方がされることがありましたが、実は足を骨折する原因となるため、今ではあまり行われていません。
オウム病について
ちなみに、オウム病という病名を聞いたことがある人もいるはず。オウム病はオウム・インコをはじめとする鳥類から感染する人獣共通の感染症で、口移しで餌を上げたり噛まれたりしたところから感染するとされています。
急激な発熱と咳嗽とインフルエンザによく似た症状で、悪化すると重症肺炎になることもありますので、免疫能力の低い小さい子供さんがいらっしゃるお宅ではヨウムを飼うときに気をつけないといけませんね。
最後に
飼育する条件はいろいろとありますが、慣れるとおしゃべりで反抗期もある、まさに子供のような存在になることでしょう。