南米のラクダといえば、真っ先に思い浮かぶものはアルパカかもしれませんね。
<アルパカ>
出典:https://www.mnn.com
しかし、南米にはアルパカのほかにもいくつかのラクダの仲間が生息していて、彼らは一見するとよく似ています。アルパカに次いで有名なものはリャマです。
この2種類は高校での地理などにおいても目にすることがあるかもしれません。
<グアナコ>
出典:https://kids.nationalgeographic.com
グアナコはこの4種類の中では一番生息域が広く、アルゼンチンの南部のほうまで生息している種類です。ちなみにグアナコという名前は、南アメリカの言語であるケチュア語のhuanacoという言葉からきています。
大きさ・生息域・寿命
体長は1.6m程度、体高は1m強、体重は90~120kg程度となります。
アルパカやビクーニャよりも大きくなります。
生息域はペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンのパタゴニア地方などとなります。
ペルーのトレスデスパイネ国立公園、アルゼンチンとチリによって分割されているフエゴ島などにも多く生息しているようです。
生息域からも想像されるように標高の高い地域に生息しているため、空気の薄さに耐えられるよう高機能な心臓と血液を備えています。例えば、グアナコの血液にはティースプーン1杯につき68億個もの赤血球が含まれています(人間の約4倍)。
出典:https://commons.wikimedia.org
また、グアナコの寿命は一般的に20-25年程度となります。
グアナコの群れ
出典:https://kids.nationalgeographic.com
グアナコの群れは、主に何頭かのメスと、それらの子供たち、そしてその群れを統率する1頭のオスから構成されています。メスは基本的に1年で1頭の子供を産みます。
ほかに独身のオスもいて、それらは別個で群れを形成しています。独身のオスは50頭程度で群れを形成することもあるとか。また、オスは生まれて1年ほど経つと、親元を離れてこの独身オスの群れに加わることになるようです。
また、オスは繁殖期になると支配の確立や、子孫を残すために暴力的な一面を見せ、戦い合ったりすることもしばしばです。
天敵にはピューマなどがいますが、群れを形成しているため、天敵が近づいても群れのうち一匹が気付くと、群れに警告を発して群れで逃げたりします。リーダー(大人のオス)は、天敵から逃げる際には群れの最後尾を走ります。
そのため個別でいるより逃げられる可能性は高くなりますね。また走る速度が意外と速く、50km/h以上で走ることもできます。
グアナコはリャマに近い種
出典:http://www.interestingfunfacts.com
グアナコはラクダ科ラマ属に分類され、同じように分類されるのはリャマが挙げられます。そう考えれば、ラクダ科ビクーニャ属に分類されるビクーニャ、アルパカに比べるとリャマに近い種類だといえますね。
リャマもグアナコも、身を守るために二重の熱い毛をもっています。カラーバリエーションはあまりなく、茶色で体の下の部分は白色、というのはどの個体も大差がありません。
その一方リャマはカラーバリエーションが大きいです。リャマは茶色のほかに黒色と白色のもの、まだら模様になるものもいます。
<リャマ>
出典:http://www.boliviabella.com
関連記事:リャマとはどんな動物?生態、性格は?アルパカとの違いは?
グアナコの毛
先程も述べましたようにグアナコは厚い毛をもっています。そのグアナコの毛は人間に利用されることもあり、柔らかさや暖かさ、質感などから非常に利用価値の高い獣毛として知られています。
その利用価値の高さは、よく似た種類であるビクーニャの毛に次いで価値の高い高級繊維として扱われているほどです。
最後に
ここでは、「南米のラクダ・グアナコってどんな動物?」というテーマでお送りしてきました。
最後に、当記事で紹介したことを簡単に纏めます。
- グアナコは南米に生息するラクダの一種で、よく似た種類にはアルパカ、リャマ、ビクーニャが挙げられる。中でもリャマとは近い種類である
- 群れを形成する動物で、大人のオス1頭がリーダーとして統率している。また、それとは別に独身オスの群れも存在している
- 50km/h以上の速度で走ることができ、走って逃げることで天敵から逃れようとする
- グアナコの毛はその柔らかさなどから高級品として知られている
アルパカ等と比べるとややマイナーな種類ではありますが、是非この「グアナコ」も、頭に入れておいてくださいね。
~関連記事~