オオサンショウウオは、日本固有のサンショウウオで、漢字では「大山椒魚」と書きます。「ハンザキ」といわれることもありますが、これは体を裂いても生きていそうだ、などといったことに由来しているようです。国の天然記念物にもなっていて、絶滅危惧種として環境省のレッドリストにも指定されています。今回は、そういったオオサンショウウオについてみていきたいと思います。
大きさや生息域
日本固有種で、日本の中でも棲んでいる県は限られており、中国・四国地方、大分県、愛知県、兵庫県、三重県、岐阜県といったところに生息しています。主に水のきれいな川に生息していますが、田の水路などで見つかることもあるようです。
大きさは最大で1.5~1.6mほど、体重は25kgほどに達し、チュウゴクサンショウウオに次ぐ世界第二位の大きさの有尾目として知られています。黒色~茶色の体色をしており、この色は川底に対してカモフラージュをする効果があります。なお、ドラえもんの映画では特大サイズのオオサンショウウオがジャイアンとスネ夫を追い回すシーンが描かれていましたが、現在日本にいるオオサンショウウオはあそこまでは大きくないです。
オオサンショウウオの生態
オオサンショウウオの食べ物
オオサンショウウオは肉食で、魚類やカエル、貝、昆虫などのほかの生き物を食べて暮らしています。代謝が非常に遅く、数週間何も食べずに過ごすこともしばしばです。
オオサンショウウオのライフサイクル
メーティングシーズン(8月下旬ごろ)になると、性成熟を終えたオオサンショウウオたちは繁殖をするために川を上ります。大きなオスは産卵巣をもち、その産卵巣へメスを呼び込みます。1回のメーティングシーズンにオスは数匹のメスと一緒になります。
メスが産んだ卵に産卵巣の主のオスは精子をかけますが、産卵巣を持たない小さなオスがほかのオスの産卵巣へ侵入し、そこにある卵のいくつかを受精させようとしたりすることもあります。子の世話は産卵巣をもつオスの役目です。卵を守り、酸素の流れをつくるため水をかきまわしたりします。
オオサンショウウオが見られる水族館や動物園
オオサンショウウオが見られる水族館はいくつかあり、なかでも有名なのは京都水族館です。京都水族館のマスコットキャラクターはオオサンショウウオがモチーフになっているなど、オオサンショウウオに力を入れている水族館です。また三重県にある日本サンショウウオセンターでは国内外のサンショウウオ160匹ほどが飼育されています。
他にも城崎マリンワールド、上野動物園、海遊館、東山動物園などといった動物園や水族館で見ることができます。最新ではどうなっているかわからないので、どうしても見たい方は見られるかどうか問い合わせてから行ったほうがいいと思います。
オオサンショウウオの寿命
オオサンショウウオは長寿な生き物の1つです。野生での寿命は10年以上とされていて、80年近く生きることができるのでは、といわれることもあります。オランダのアムステルダムにある動物園では52年生きたという記録があります。
オオサンショウウオの天敵
これといった天敵はいませんが、幼生のときにはほかの動物や親に食べられることはあります。
最後に
天然記念物にもなっているオオサンショウウオ。見られる場所が近くにあればぜひ見に行ってみてはいかがでしょうか。