マンディブラリスフタマタクワガタは、ギラファノコギリクワガタと並んで世界最大級のクワガタとして知られています。オオキバフタマタクワガタという別名の通り、大きくかっこいい大アゴが魅力的で、人気も非常に高いクワガタです。今回は、そういったマンディブラリスフタマタクワガタの飼育法についてみていきたいと思います。
マンディブラリスフタマタクワガタの大きさや特徴
大きさは最大で110mmを超え、クワガタの中でも最も大きな種類の1つといえます。大アゴが非常に長く、大きさの半分近くを占めています。大アゴの真ん中には大きいの内歯が突き出て居るのに加え、先端にも細かい内歯がいくつも存在しています。
なお、マンディブラリスという名前には「水牛」や「大アゴ」といった意味が含まれています。水牛のような大アゴをしていることが名前の由来と考えられます。
全身黒色ですが、時々赤っぽい個体も見られ、これらはやや高めの値段がつくことが多いです。インドネシアやマレーシアの熱帯雨林に生息しています。
マンディブラリスフタマタクワガタの飼育法
用意するもの
用意するものは基本的には他のクワガタと変わりなく、飼育ケースや昆虫マット、餌用ゼリー、転倒防止用の止まり木を用意します。もともと大型のクワガタですので、特大ケースである必要はありませんが、飼育ケースもなるべく大きなものを用意してあげるとよいでしょう。
また、餌を食べるときにあの長い大アゴが邪魔にならないよう、昆虫ゼリーは半分に切って与えるかワイドカップものもを用いるなりするほうがよいかもしれません。昆虫ゼリーに関しては以下のページも参照してください。
温度管理について
もともと熱帯産の生き物なので、温度管理も必要です。かといって熱帯棲みとはいえ森の中に暮らしているので、30℃を大幅に超えるような環境はさけてください。
ベストな温度は23~25℃ぐらいです。あまり寒いと産卵しないので、産卵時は26℃程度など少し高めに設定してあげるとよいでしょう。15~30℃の範囲内であればとりあえず大丈夫でしょうが、暑すぎ寒すぎが恒常的に続くような環境はなるべく避けてください。
産卵のさせ方
マンディブラリスフタマタクワガタを産卵させるには、基本的には産卵木を用います。産卵木は柔らか目のものを使います。産卵木はそのまま使わず加水してから使用してください。
また、フタマタ系全般に言えることなのですが、オオクワなど一般的なクワガタに比べると幼虫がやや弱く死亡率が高めのようです。詳しい理屈はわかりませんが、産卵木に関してはクワガタの幼虫の食いカスを用意して1か月ほど産卵木を食いカスの中に埋めておく、いわゆるバクテリア材を作成するとよいといわれています。
ワイルド品のメスの場合は現地で交尾していることが多いのでそのまま産卵セットに入れればOKですが、日本で繁殖されたものの場合は一度交尾をさせてから産卵セットに入れてください。だいたい数日か1週間程度同居させておけば交尾してくれることが多いです。
このとき、オスメスともに必ず羽化してから2,3か月たって既に餌を食べ始めている個体を利用してください。また、稀にオスがメスを殺してしまうことがあるので、かわいそうですがオスの大あごを針金で縛るなどの対策も行ってください。
幼虫飼育について
マンディブラリスフタマタクワガタの幼虫はマットでも菌糸ビンでも飼育することが可能です。幼虫期間はだいたい1年程度です。オスを低温で育てると大きくなりますが、その分時間はかかります。菌糸ビンであれば白い部分が減って食い跡が目立って来たらビンを交換してください。
マンディブラリスの幼虫はやや弱く、使用するマットによっては死亡する個体が多くなることもあるようです。
オスの幼虫に関しては3齢幼虫になったらなるべく大きなビンで飼育するのがよいでしょう。オスは必ずではありませんが、できれば2Lほどのビンを用いるとよいです。メスに関しては1L程度のビンで十分です。幼虫のオスメスの見分け方については以下のページも参照してください。
マンディブラリスフタマタクワガタの寿命
寿命は比較的長く、半年~1年ほど生きてくれます。一方でワイルド品(野外で採集したものが輸入されたもの)だと残りの寿命がわからないので、どのぐらい生きるかは不透明なところがあります。現物を見て購入する場合は、なるべく元気そうな個体を選ぶことも重要です。
マンディブラリスフタマタクワガタの値段
値段は店によるところも大きいですが、だいたい3000円程度出せば購入可能です。サイズによってはもっと高いこともあります。
最後に
非常に大あごがかっこよく、観賞価値が高いクワガタです。大きく育てるのは難しいところもありますが、自分で産卵から羽化までできれば非常に喜びも感じられるでしょう。興味のある方は世界最大級のクワガタを是非手に取ってみてください。