ハクビシンとは
ハクビシンはジャコウネコ科に属する動物で、中国南部を中心に、マレーシアやインドネシアなどの東南アジア、インドやネパールなどの南アジア、台湾、日本に生息しています。ハクビシンは日本に生息するジャコウネコ科の哺乳類の中では唯一の外来種と言われています。
ハクビシンは漢字で「白鼻芯」や「白鼻心」などと表記され、その名の通り鼻の上から額にかけて白い縦線の模様が入っています。
体長は約61㎝~66㎝、尻尾は約40㎝の長さであり、オスのほうがメスよりも一回りほど大きい傾向にあります。体色は暗めの灰褐色で、頭・四肢・尾は黒く、額から鼻にかけて白く伸びた縦線模様があり、頬もまた白くなってします。
一見タヌキと同種のようにも思えるような外見ですが、ハクビシンの足指の数は前後共に5本あり、タヌキは足指の数が4本であることから見分けることができます。
ハクビシンの生態
ハクビシンは夜行性のため、夜間は活発的に行動し昼間は巣穴にこもってじっとしています。また、木登りを得意とし、樹洞やタヌキなどの動物が使い古した巣穴などを棲みかにします。
ハクビシンの食性は雑食で、木の実や果物、野菜、昆虫やネズミ、カエル、小鳥、小鳥の卵などなんでも食べます。中でも果物や糖度の高い野菜を好むため、果樹園などに侵入し人間の農作物を食い荒らす問題も発生しています。
駆除対象?
前で述べた通り、農作物を食い荒らす等の害を及ぼすことがあるため、ハクシビンは害獣として駆除対象とされることもあります。一方、ハクシビンは鳥獣保護法により保護されているため、素人が勝手に駆除するのは避けたほうがよいでしょう。
勿論実害があれば駆除を行うことも可能ですが、自治体の許可等が必要となります。詳細はお住まいの地域の自治体に問い合わせてください。また、狩猟免許を持っていれば一定期間駆除することも可能です。
ハクビシンの鳴き声
ハクビシンは非常に大きな鳴き声で鳴きます。以下の動画で鳴き声を聞いてみてください。
ハクビシンはペットにできるか
まず、ハクビシンを飼育するにあたって特別な許可を得る必要はありません。入手方法はペットショップが主となりますが、一般的なペット動物ではないため、取り扱いをしている店舗は多くありません。
そのため、事前に問い合わせておくとよいでしょう。また、保護をしたハクビシンを飼育する場合は、鳥獣保護法により役所へ飼育許可の申請を得る必要があります。しかし、この許可を得ることは大変難しいため、むやみやたらにハクビシンを保護するのは控えたほうが良いでしょう。
ハクビシンは本来野生動物であるため、攻撃性の強い性格といわれています。しかし、成獣となった全ての野生動物にその性格は当てはまるため、ハクビシンが特別攻撃的だとは言い難いです。どの種の動物であっても、幼いころから育てれば比較的懐きやすくなるとされ、ハクビシンは特にその可能性が高い動物と言われています。
ペットとして飼育することも可能なハクビシンですが、しつけして人間の生活に合わせさせるのは難しいとされます。まず、ハクビシンは夜行性であるため、夜間になると活発に動き回り生活規則を乱す可能性があります。
加えて、もともと樹上生活をする動物であるため、タンスや本棚などの高い場所に登って排泄してしまうこともあります。ハクビシンは犬や猫のようにしつけるのは難しいため、しつけで対処しようとするのは難しいです。そのため、そういったことに対して寛容になれなければハクビシンの飼育は止めたほうが無難です。
ハクビシンはいたずら好きな個体が多いです。反面、叱られると極度に落ち込んでしまったり、逆切れされることもあるため、むやみに叱るのは避けてください。
注意点
重症急性呼吸器症候群(SARS)が騒動となった時、ハクビシンが SARSウイルスの原因ではないかと疑われたことがあります。実際SARSウイルスの宿主であったかは確かではなく、野生動物はさまざまな感染症や寄生虫を持っているため、ハクビシンだけに限った問題ではありません。そのため、あまり神経質になる必要はないでしょう。
ハクビシンを飼育するうえで、最も注意しなければならないのはハクビシンがいざ病気になった時、偏見を持たず接してくれる獣医がいるかということです。病気になってから探すのでは手遅れになる場合もありますので、飼育する際は事前に調べておきましょう。
最後に
ハクビシンはアライグマなどと同じく、農作物への被害等で害獣とされることも多いです。マイナーなペットで加えて夜行性なので飼育するのは難しい面もありますが、特別な許可等は必要なく、相応の覚悟があれば飼育も不可能ではありません。