最強?のマッコウクジラ!驚くべき潜水能力の理由は?餌は?

その他哺乳類

潜水艦のようなどっしりとした姿で、優れた潜水能力を持つマッコウクジラ。クジラ科マッコウクジラ属にあたる海生の哺乳類で、有名なクジラの1つです。今回は、このマッコウクジラについて調べていこうと思います。


マッコウクジラの大きさ

北極から南極まで世界中の深海に分布しています。日本では小笠原諸島近海知床半島近海でよく観察されます。メスでは体長12〜14m、25トン、オスでは体長16〜20m、体重45トンにもなるという巨大な体をもちます。

潜水能力の高さのヒミツ

マッコウクジラは最大深度3000m90分程度潜ることができるといわれています。潜水能力の秘密は、実は体長の三分の一を占めるという大きな四角い頭に隠されているといわれています。マッコウクジラの大きな頭には脳油と呼ばれる脂質が詰まっています。脳油とは呼ばれるものの人の脳のように神経伝達に関わっているわけではなく、本当に油がたくさん詰まっているのです。

1970年代のマッコウクジラの解剖結果から、このワックスのような脳油こそがマッコウクジラが深海に潜るのに大きな役割を果たしているのではないかといわれてきました。マッコウクジラは潜る前には息を大量に吸い、脳油と呼ばれる頭の中のワックスのようなものを固めて比重を高めて脳油の容積を小さくすることで、その分開いたスペースに海水を取り込み体重は重くなる、浮かぶときには、息を吐き出して脳油が液状になることから比重が低くなり、容積が増加する分、海水も吐き出してしまうことで体重が軽くなり浮上するというしくみです。

ただし、この説に関しては、2000年代に入り、生物の体に計測器を取り付けて生態を観察することができるようになった結果、潜水中のクジラの体の比重は変化していないということが報告されています。最近では、マッコウクジラの驚くべき潜水能力は、脳油の比重調節よりも、筋肉中のミオグロビン保有率が他の哺乳類の10倍以上あるということに支えられているという説が有力となっています。

ミオグロビンとは酸素を蓄え、酸素を受け渡ししやすくする筋肉中の細胞で、潜水が得意な生物はこのミオグロビンを多く有していると言われていますが、マッコウクジラはこのミオグロビンの筋肉中の保有率が他の哺乳類の10倍あるといわれ、このことが潜水能力を支えているというのです。

マッコウクジラの潜水能力を支えるのはこれだけではありません。ここで脳油の役割が再び登場します。マッコウクジラの脳油は潜水艦のソナーのような役割を果たし、暗い海中でも障害物にぶつからずに泳ぐことができるのです。マッコウクジラは鼻で息をしますが、この鼻を震わせてその振動を脳油で広げ、超音波として海に放射すると、それが物にあたって帰ってくることで海中の障害物を把握するのです。

名前の由来

マッコウクジラの和名の由来は洋の東西を問わず珍重されていた香料である抹香に類似した龍涎香がマッコウクジラの体内で結石として生成されることに由来しています。

マッコウクジラの餌はダイオウイカ?

マッコウクジラは年間で9千万トン〜2億トンの餌を必要としますが、その95%がイカだといわれています。マッコウクジラが好んで食べるのは、深海域に生息するダイオウイカです。シロナガスクジラには歯が無くプランンクトンを主食とするのに対し、マッコウクジラは歯を持つ世界最大の哺乳類ということで、世界最大の無脊椎動物ダイオウイカ戸の戦いは、テレビなどでも注目されるのですね。

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最後に

いかがでしたか。ダイオウイカをも喰らうマッコウクジラ。潜水能力の高さの裏には、様々な要因があるのですね。

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