ダム建設家・ビーバーについて解説!大きさや餌は?生態は?

ビーバーは、ネズミやリスなどと同じ齧歯目に属している動物です。テレビなどで見たことがある方もいるかもしれませんね。あまり一般的ではありませんが、和名では海狸と呼ばれます(ただし実際のところ、海には生息していません)。カナダでは国獣になっている動物でもあります。今回は、そういったビーバーの生態などについてみていきたいと思います。


大きさや生息域、種類

ビーバーと呼ばれるものには一般的には2種類おり、ヨーロッパビーバーとアメリカビーバーです。生息域は文字通りで、ヨーロッパビーバーは北欧や東欧を中心にヨーロッパの広い範囲に、アメリカビーバーはカナダやアメリカ合衆国など北アメリカ大陸に生息しています。

大きさはアメリカビーバーのほうがやや小さくなり、体長は74~90cmほど、しっぽの長さは20~35cmほどです。ヨーロッパビーバーは体長80~100cmほど、しっぽの長さは25~50cmほどになります。

ヨーロッパビーバー、アメリカビーバーユーラシア大陸、北アメリカ大陸ではそれぞれ最大の齧歯類となっていて、世界でもカピバラに次ぐ第2位の大きさの齧歯類となります。また、ビーバーは大きくかつ丈夫な歯を持っていて、直径15cmほどの木でも数分で倒してしまいます。下の写真はビーバーが切り倒した木のあとです。

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ビーバーの生態

ビーバーの食べ物

ビーバーは草食性です。野生では木の葉や皮などを食べて生活しています。草や野菜なども食べ、飼育下では野菜を主に与えます。

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ビーバーの作るダム

ビーバーはダムを造る動物として有名です。動物がダムを作るなんて信じられませんが、これは後天的なものではなく、ビーバーが本能的にできるもののようです。

ビーバーはコヨーテなどの天敵から自身をを守るため、冬の間などに食べ物にありつけるようにするため、などの目的でダムを造ります。ビーバーのダムは頑丈で、ビーバー自身がするような場合を除いて壊すことは容易ではありません。なお、壊れたりしてもビーバーは一晩でダムを再建することができます。

ビーバーの巣

ビーバーはダムだけではなく、ドーム状の巣を造ります。川の真ん中に造ったりするため、島のように見えたりします。ビーバーの巣の入り口は水面の下にあります。そのため天敵が入れない構造になっています。じゃあ巣の中も水浸しなのか?というとそうではなく、巣の中は山のようになっており、陸ができているため水浸しの中生活するなんてことはありません。

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ビーバーと生態系

ビーバーが作るダムは、生態系にいろいろな影響を与えています。ビーバーの作ったダムによって川がせき止められた結果、池となります。その結果、池でないと棲めないような水鳥が来たり、水草が育つなどします。ビーバーによって出る木のごみなども、結果として栄養分になります。

また、ビーバーのダムによりできた池はいずれ土砂が堆積してなくなりますが、そのあともそこは草木が育ちやすい土になっています。このように、ビーバーが自分の生存のために造ったダムが、結果的に生態系を豊かにしているのです。

その一方でビーバーがダムを造って池になると、川の流れがせき止められているため水があふれ、周辺の木々は水没してしまいます。ビーバーが木を切り倒したり食い荒らしたりすることにより、森林破壊につながってしまうこともあります。また、川の流れがさえぎられることにより、サケなどの魚に影響を与えているのではとも言われています。

ビーバーの寿命

寿命は20年程度です。

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最後に

いかがでしたか。ビーバーの作るダムが、結果として生態系に様々な影響を与えているのは驚きです。彼らの生態には興味が尽きませんね。

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