クリっとした丸い目、大きな耳など、非常に愛らしいショウガラゴ。
そんなショウガラゴですが、実は家庭でも飼育ができる数少ない霊長類なんです。ここでは、そんなショウガラゴについて解説していきます。
ショウガラゴとは
ショウガラゴはセネガルや中部アフリカ、ウガンダ、ケニア、タンザニアなどのアフリカ大陸に幅広く生息している、夜行性の霊長類の一種です。
アカシアが多く生い茂る林や、森林、川辺林など様々な環境に適応して生活しています。
顔の半分ほどある大きくパッチリとした目に大きな耳、体長約20㎝ほどの体で、被毛は銀灰色から褐色で短毛ながらフワフワと柔らかい手触りをしています。体重は200~300gほどしかありません。
尻尾の長さは20cmを超えるようです。そのかわいらしい容姿と「チューチュー」という鳴き声から、別名「ブッシュベイビー」とも呼ばれています。
ショウガラゴの動きはとても俊敏で、目にも止まらぬ速さで枝から枝を飛び回り、また、地上での動きも俊敏で素早く走り回ります。
ショウガラゴは強靭な後ろ足を持つため跳躍力は特に優れ、その距離はなんと3m以上にもなるほどです。動きも俊敏で、細い枝を身軽にジャンプして移動していきます。
野生下では昆虫などの小動物や果実、樹脂などを餌とする雑食性です。
猿目の生き物はスローロリスやピグミーマーモセットなど、ワシントン条約により商取引が制限され、ペットとしての飼育は難しいものが多いです。
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一方でショウガラゴはあくまで猿の中では、という限定ではありますが比較的流通もあり、ペットとして家庭で飼育することも非現実的ではありません。
飼育方法と必要なアイテム
用意するもの
ショウガラゴは基本的に樹上生活をしている種類であり、また、優れた跳躍力を持ち、時には3m以上跳ぶこともあるため、飼育用ケージは大型オウムに用いるような十分に大きく高さのあるものを使用しましょう。
ケージはなるべく大きなものを用いるようにしましょう。
また、ショウガラコはクレバーな生き物なので、場合によってはケージを自力で開けたりすることもあります。そのため、入口が開けられることのないようしっかり閉められるようにしてください。
鳥かごなどを使う場合は、必ず入り口を増強して猿がこじ開けられないよう工夫が必要です。理想は、一部ショップで受注販売されているような猿用のケージを使うことです。
ケージ内には止まり木や登り木、ロープ、木製の巣箱、ハシゴ、ハンモックなどを用意し、自然の状態にできるだけ近付けてあげます。
ハンモックや巣箱といったオブジェは寝床や休憩スペース等として使えるので、ケージの高い場所に置いておくのがお勧めです。
ショウガラゴにトイレを覚えさせるのは難しいので、猿用のおむつを用意するか、こまめに排泄物を掃除するようにしてください。
床材は
- おがくず、泥炭、枯れ葉、ウッドチップなど(小さなケージ)
- コンクリートの床(大きなケージ、台所やリビングの床などと同じようなものでOKです)
といった感じにするのがお勧めです。
ですがこれらのものをそのまま使うと、やや掃除が面倒かもしれません。
掃除を楽にするにはペットシーツなどがお勧めですが、床材がペットシーツだと猿には不適切な可能性もあるので、購入店などで相談すると良いでしょう。
温度や湿度
室温は26度~28度が適正とされています。
冬場の場合はヒーターやエアコンなどを使用して温度調節を行ってください。また、湿度も60%程度と高めに保つ必要があります。
日常の世話・注意点
清掃
基本的に毎日食べ残しや目立つ埃などは除去してください。
また。週1度はケージを清掃し、細菌の繁殖を防ぎましょう。
ショウガラゴは匂いでマーキングしてコミュニケーションを行うので、一気に全部掃除するとマーキングが消えて混乱する可能性があります。そのため、巣箱とケージは別の日に掃除するなど、掃除の仕方は少し工夫するほうが良いかもしれません。
また、定期的に換気を行い、新鮮な空気を取り入れてあげることでより清潔な環境になります。
運動
ショウガラゴが運動不足にならないよう、室内や外で運動をさせてあげるのも大切になります。室内で遊ばせる際は、イタズラや思わぬ事故を防ぐよう、小物類や鋭利な凹凸のあるものは片付けておきましょう。
外で遊ばせたりお散歩をさせる場合は、逃げ出さないように長めのリードを装着して、公園などの安全な場所で遊ばせるようにしてください。
注意点
ショウガラゴは人懐っこい反面臆病なところもあります。
聴力も大変優れているため、大音量のテレビの音や掃除機の音、外からの騒音はストレスの原因となります。ショウガラゴの飼育スペースでは、騒音に気を付け、掃除をする際はショウガラゴを静かな場所に移動させるなどして工夫しましょう。
大声で怒鳴りしかりつけることは、ショウガラゴに恐怖を植え付け信頼関係を崩してしまいますので、くれぐれも注意しましょう。
ショウガラゴはおびえたり恐怖心を抱いたりすると、耳をクシャっとたたむので、こういう状態になったら必ず対処をしてください。
霊長類にかかる病気は人へと移る可能性もあります。ショウガラゴの健康はもちろん、ご自身の健康のためにも、何か異変を感じたらすぐに動物病院等へ行くようにしてください。
そのほかの注意点として、すべての動物病院でショウガラゴを診てもらえるわけではないんだ。というのも、通常の動物病院は犬猫を対象としていて、ショウガラゴのような飼育者が少ない生き物には対応していないことが多いんだよね。
事前に対応してもらえそうな動物病院を確認しておくことをおすすめします。
ショウガラコの餌
野生のショウガラゴは主に昆虫などの虫を餌としており、他にも果実や花、アラビアガム、種子など数多くのものを食べています。
ショウガラゴの餌はモンキーフードを主に与えると、栄養バランスも良く、経済的でもあるのでおすすめです。
ショウガラゴはビタミンCを体内で生成することができないため、副食として果物を比較的多めに与えてあげる必要があります。果物などはみじん切りにしてあげると食べやすくなります。
そのほか、雑食性であるため、コオロギやミルワームなどの昆虫類をおやつ程度に与えてあげると栄養バランスが整うのでおすすめです。
犬や猫には与えてはいけないネギやチョコレートはショウガラゴには無害ですので、イタズラで口に入れてしまった場合でも大丈夫です。
大体餌の割合は以下のような感じにするのがお勧めです。
モンキーフードorキャットフード | 75~80% |
野菜・果物 | 15~20% |
コオロギやミールワーム | 5~10% |
卵類 | 2~5% |
給餌回数は1日2回を目安に与えます。栄養の偏りにはくれぐれも気を付けて、健康的な食生活を送れるようにしてください。
また、常に新鮮が水が飲めるよう、水入れも用意してあげるとよいでしょう。
ショウガラコの寿命
平均寿命は10~15年程度といわれ、他種のサルと比べると短命ですが、飼育環境をしっかりと整え上手に飼育することで、より長生きすることも可能とされます。
ショウガラコの値段
ショウガラゴは高価な生き物で、値段は数十万円はすると思われます。50万円を超える場合もあり、加えて温度管理などの維持費もかかりますのでお金に十分な余裕がないと飼育は難しいです。
取り扱いも多くないため探すのは一苦労かもしれませんが、エキゾチックアニマルや珍しい動物も取り扱っているペットショップを中心に問い合わせてみれば見つかることもあると思います。
生まれて間もない個体程安く取引される傾向にありますが、そういった個体を育てるのは結構難易度が高いので、ある程度育った個体を育てるのがおすすめです。
最後に
非常にかわいらしくペットとしての資質も兼ね備えたサルですが、値段も高いためやはり飼育のハードルは高めで、最後まで飼育する覚悟が必要です。
そういったことを理解したうえで興味をお持ちの方は、是非ショウガラゴの飼育にチャレンジしてみてくださいね。
参考サイト:http://primatecare.com/primate-care-sheets/bushbabies/