オオスカシバってどんな蛾?幼虫の食草は?駆除の対象?

あなたは、オオスカシバという蛾を知っていますか。スズメガの仲間の蛾で、一見するとハチなんかにもよく似た蛾で、ハチに間違われることもしばしばあるようです。翅が透明で、そのことは名前に「スカシ(透かし)」がついていることからも伺えます。そんなオオスカシバについて、今回はみていきたいと思います。


オオスカシバの外見

オオスカシバの前翅の長さは3cmぐらいで、黒い脈が目立って見えます。翅は先程述べたように透明です。多くの蛾の翅はもともと透明で、翅の色は鱗粉と呼ばれる粉が翅の表面についていることに起因します。オオスカシバはこの鱗粉がないため、翅が透明になります。もともとオオスカシバには羽化したすぐあとは鱗粉があるのですが、すぐに取れてなくなってしまうようです。なお、一見するとハチに似ていますがあくまで蛾の中までさしたりすることはないのでご安心ください。

体の部分はほかのチョウや蛾に比べると翅の大きさの割に大きくて太いです。幼虫は5cmぐらいになり、黄緑色か褐色をしています。またおしりの部分に1本のツノがはっきりと生えています。

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成虫の生態

オオスカシバの成虫は夏ごろに発生します。スズメガの多くは夜行性ですが、彼らは昼行性なため目にする機会もスズメガのなかでは多いと思われます。いろいろな花を訪れ、ホバリングを行って花の蜜を吸います。

ホバリングとは、簡単に言えば空中において停止飛行することで、多くのスズメガの仲間がこのホバリングを行います。花の目の前で停止し、ストローのような口を花へと差し込んで蜜を吸います。同じようなことをするハチドリという小さな鳥がアメリカのほうに棲んでいており、ホバリングする姿はスズメガともよく似ています。

ハチドリについてはこちら

幼虫の生態や食草

では、オオスカシバの幼虫は何を食べてるのでしょうか。オオスカシバは主にクチナシという植物の葉を食べます。クチナシといえば、着色料や漢方薬などに利用され、人間ととのかかわりも深い植物ですよね。園芸用としても栽培されていて、きれいな白い花を咲かせます。

オオスカシバの幼虫を飼育したい場合は、クチナシの葉をとってきてビンなどに生けたもののを飼育ケースに入れ、そこにオオスカシバの幼虫を止まらせれば飼育できます。葉が少なくなってくれば取り替えましょう。

幼虫は駆除の対象?

人間にとって関係の深いクチナシを食草としているためなかなかの厄介者で、オオスカシバの幼虫は人間にとってはしばしば駆除の対象になります。オオスカシバの幼虫はとても大食漢(スズメガの仲間全体に当てはまるのですが)であることに加え、クチナシはそこまで大きくなる木ではないため、クチナシがまるまる裸になってしまうことまであるようです。

クチナシを育てている方にとっては、ご察しかと思いますがこのオオスカシバの幼虫がつくとシャレにならないことになります。育てているクチナシなんかにオオスカシバの幼虫がついていれば、一匹や二匹であれば目視で摘み取ればOKですが、たくさんいると目視でやるのは不可能なので薬剤を散布することになります。幼虫は大食漢なので、少し放っておくと被害が大きくなるためなるべく見かけたら早めに対策を打つほうが良いです。薬剤は有名どころでいえばスミチオンやオルトランなどを用いれば駆除できます。

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最後に

いかがでしたか。幼虫は厄介者な面が大きいですが、成虫は普通の蛾とは一風変わっていて憎めない方も多いのではないでしょうか。

 

 

 

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