トノサマガエルについて解説!生態や飼育法、寿命など

両生類・爬虫類

トノサマガエルとは

トノサマガエルの画像

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カエル目アカガエルに属するカエルの一種で、日本でも有名なカエルの1つです。

大きさはオスが体長4~8cmほど(平均6cm強ほど)メスが6~9.5cmほど(平均7.5cmほど)とされており、大きなカエルです。メスのほうがやや大きくなり、体色もオスが緑色~茶色である一方、メスはそれより灰色っぽい色になります。背中には多くの黒い斑がありますが、オスが繁殖期になるとこの黒い斑は消え、体色も黄色っぽい色になります。

オタマジャクシも大きく、70mm近くにまで達することもあります。

またよく似たカエルにダルマガエルというカエルがいます。

 

名前の由来

トノサマガエルという名前はヘビ等に出会った際に見せる、おなかを膨らませる威嚇ポーズを殿様となぞらえた、背を伸ばして座る姿を殿様となぞらえた、などの説がありますが、正確な由来はわかっていないようです。

 

トノサマガエルの生息域

トノサマガエルは日本のほかに中国や朝鮮半島などにも生息しています。日本では本州、四国、九州(本州の関東~宮城県の辺りを除く)に生息しています。また、北海道にも一部で人為的に持ち込まれた個体が定着しています。

水田、川、森林など比較的様々な環境で見ることができます。一方で、標高2200mを超えるような標高の高い地域では基本的に見ることはできません。

 

トノサマガエルの生態

トノサマガエルの食べ物

トノサマガエルは他のカエルと同様肉食で、他の昆虫や蜘蛛、ミミズなどを餌として生活しています。また、このカエルは非常に貪欲で、口に入るサイズの獲物であれば小さなカエルなどを食すこともあります。一方でオタマジャクシは雑食で、水中にある植物を食べたりします。

トノサマガエルの繁殖

基本的には冬眠の後(4~6月ごろ)に繁殖期を迎えます。オスは繁殖期になると縄張りを持つようになり、縄張りを「グルルル・・・」といった鳴き声でアピールし、縄張りにほかのオスが入ってくると攻撃するようになります。そして自分の縄張りの中に入ってきたメスを確保し、交尾を行います。卵は浅い水たまりなどの中に産み、数は1800~3000個ほどと非常に多数の卵を産みます。卵はまとまったかたまりのような形で産み落とされます(卵塊)。

卵は5~7日程度で孵化し、その年の9月ごろまでにはオタマジャクシから変態して子ガエルになります。

 

トノサマガエルの飼育

トノサマガエルは飼育することも可能です。飼育するには、プラケースなどの入れ物を用意し、黒土などの床材を敷き、タッパーなどの水入れをセットしてレイアウトを組めば飼育できます。土は必ず敷く必要はありませんが、土を敷いてやるとより自然に近い環境になるでしょう。

また、土を敷く場合は、草やコケなどをレイアウトしてあげるとベターです。これによりカエルの隠れ家になったり、飼育容器全体の環境も良くなります。なお、複数個体を同じ容器で飼育すると共食いが起きる可能性があるため注意が必要です。

餌はコオロギやミルワームなど、一般的な爬虫類に与える餌で大丈夫です。爬虫類店などで売られているカルシウムパウダーなどをまぶしてやると栄養を強化することができます。餌は1週間に2~3回ほど与えるとよいでしょう。

 

冬越しについて

野生のトノサマガエルは冬になると冬越しをします。飼育下では冬越しをさせる加温して冬越しをさせない(これまでと同じ活動状態のままにする)の2つの選択肢があります。

冬越しをさせる場合は、土を厚めに敷いてやるなどしてやれば、カエルは土に潜って冬越しをします。この場合は、春になるまで常に温めることなく野外の冬と同じ状態で管理してやる必要があります。そのため、屋外で飼育を行ってください。

冬越しをさせない場合、ヒーターなどを用いて20℃前後に加温します。そうすれば、カエルは常に活動状態になりますので、これまでと同じように飼育してください。

冬眠させればその間の手間はかかりませんが、それでも死ぬリスクや永眠してしまうリスクがあるため、できれば冬場は加温して飼育するほうが無難かなと思います。あくまで、この辺はそれぞれの判断次第です。

 

トノサマガエルの寿命

トノサマガエルの寿命は野外だと3~4年程度とされています。

 

生息数が減っている?

近年は生息数が減少傾向にあるようで、IUCN(国際自然保護連合)や環境省から準絶滅危惧(NT)として指定されています。このことは水田の減少など、生息地の環境の変化が影響しています。農薬の散布など

天然記念物ではありませんので、飼育や採集に対する規制は今のところありません。

 

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最後のまとめ

最後に内容を簡単にまとめておきます。

  • メスは最大で9cmに達するなど、とても大きなカエルとして有名
  • 肉食で、ほかの昆虫やミミズなどをえさとし、稀にほかのカエルを食べてしまうこともある
  • オスは繁殖になると縄張りを持つようになり、「グルルル・・」といった鳴き声でなく
  • 1800~3000個と、非常に多くの卵を産むことで知られる
  • 爬虫類用の餌などを用いれば飼育も可能
  • 個体数は減少傾向で、環境庁やIUCNに準絶滅危惧(NT)に指定されている
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