ケリは、チドリ目チドリ科タゲリ属に属する鳥の一種です。漢字では鳬、計里などと書いたりします。
- 非常に攻撃的な鳥で、巣に近づくものであればなんでも威嚇しようする
- 名前のもとにもなった、鋭い鳴き声
など、特徴的で魅力のある鳥でもあります。
ここでは、そんなケリについて解説していきます。
大きさや色
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ケリの大きさは34~37cmぐらいです。
頭や首は灰色、おなかは白色、背中は茶色で、足やくちばしは黄色(くちばしの先端は黒色)です。
オスとメスはよく似ていますが、オスのほうがやや大きくなるようです。
生息域
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日本やモンゴル、中国で繁殖しており、日本では基本的には留鳥です。
もともと本州の北部のほうに主に生息している鳥ですが、最近は九州のほうまで南下してきているようです。
冬季には中国やモンゴルのものは東南アジア北部で冬越しします。本州北部のものも同様に、南下して冬越しすることがあります。
本州中部~南部、九州では周年見ることができます。
四国や沖縄では、本州にいた個体が南下したものが冬に見られることがあります。また北海道でも「迷鳥」として入ってきたケリが見られることがありますよ。
ケリの生態
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ケリの食べ物
ケリは肉食です。
浅い水の中にいるような昆虫やミミズ、軟体動物、カエルなどを餌として生活しています。
攻撃的な鳥?
ケリは先程も述べましたが、非常に気性が荒い鳥でもあります。
繁殖期において巣に近づいたものであれば、なんでも敵とみなして鳴きながら威嚇し、追い払おうとします。
またケリはつがい同士が協力し、敵を威嚇、攻撃することがあります。このような行動を「共同防衛」と呼びます。
一羽が攻撃すると、残りのケリも一緒に攻撃しようとするという感じですね。
カラスとかの鳥はもちろん、人間にも攻撃してくることがあるほど、ケリの攻撃性は強いです。
ちなみに攻撃性が強いのは繁殖期だけで、それ以外の時期だと人間が近づいたらすぐ逃げることが多いです。ケリたちも、自分の子孫を守ることに必死なんですね。
※ちなみにケリに攻撃されても、怪我することは殆どないので過度に警戒する必要はありません。近所に巣を作られるとなかなか面倒ですが、子育てが終わるまで暖かく見守ってあげてくださいね。
繁殖について
鳥といえば木の上などに巣を作っているイメージがありますが、このケリは、地面にわらなどを用いて巣を作ります。
田んぼに巣を作り、耕運機などでつぶされて巣作りからやり直し、というシーンもあるようです。
卵は4個ほど産み、孵化まで1か月ほどかかります。3月ごろから繁殖をはじめ、繁殖期間は7月ごろまで続きます。
1年で産卵は2,3回行うため、巣を2,3個作ることになります。
雛が孵化したら・・?
ケリは雛が孵化したらすぐに巣立ちます。巣立った後、すぐにえさを探し始めます。
野鳥というと親鳥が雛の世話をし、餌を運んだりする姿を想像しますが、ケリは全く違うようですね。
むしろ、親鳥から餌を与えるようなシーンはまずみられません。
ケリの雛は生まれて早々、自分の力で試練を乗り越えて生きていく必要があり、その試練を乗り越えた個体のみが、大人のケリになれるということになります。
ケリの鳴き声
ケリは「キリッ」「ケリッ」といった感じの、甲高く特徴的な声で鳴きます。以下の動画で鳴き声を聞いてみてください。
絶滅危惧種?
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ケリは環境省によってレッドレストに指定されているわけじゃないけど、都道府県によっては絶滅危惧種として指定されていることもあります。
指定している県は、以下の通りです。
- 絶滅寸前または絶滅危惧種(CRまたはEN)・・・福島県、埼玉県、千葉県、高知県
- 危急種(VU)・・・青森県
- 準絶滅危惧(NT)・・・岩手県、青森県、茨城県、栃木県、神奈川県、富山県、山口県、佐賀県、熊本県
最後に
人間などに対しても威嚇してくる、怖いもの知らずのケリ。多くの都道府県に絶滅危惧などの指定を受けていて、しょっちゅうみられる鳥ではないかもしれませんが、野生でじっくり見てみたいですね。
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