オシドリは、カモの仲間の鳥です。仲の良い夫婦のことを「オシドリ夫婦」と呼んだりすることから、多くの方が一度は耳にしたことのある鳥だと思います。また、切手の意匠になったこともある鳥でもあります。では、オシドリは実際にはどのような鳥なのでしょうか。今回は、そういったオシドリについてみていきたいと思います。
大きさや生息域
オシドリの大きさはだいたい40~50cmぐらいですが、オスのほうが一回り大きいです。メスは灰色の地味な色をしていますが、オスは非常に印象的な姿をしていますので、オスメスは容易に見分けることができます。日本も含めた東アジアに生息しており、イギリスにも外来種として定着しています。
オシドリの夫婦は仲が良い?
仲が良い夫婦のことを「オシドリ夫婦」と呼び、この用語はバラエティ番組など色々な場面で耳にします。このことは、オシドリがよくメスと一緒につがいでいることなどに由来しているようです。加えて言えば、オシドリのオスはただ単につがいでいるだけでなく、メスを常に守ろうとします。それは時には命がけで、天敵の目をひきつけメスを安全な場所に逃す(擬傷行動と呼びます)ことさえあります。
こうやって見ると、オシドリのオスはまさに「オシドリ夫婦」という言葉を体現しているかの如く見えます。とはいえ、必ずしもそうとは言えない側面があります。では、その側面とはいったい何なのでしょうか。
というのも、実際のオシドリは毎年パートナーを変えます。人間風に言えば、毎年浮気しては新しい旦那と結婚し、それを繰り返す、ともいえるかもしれません。加えて言えば、抱卵はメスのみが行い、オスは卵が孵化をするのを見届けることなく去ってしまいます。人間風に言えば、子供が生まれてすぐに離婚し、「パパは子供など知らん!」というがごとしです。(人間に置き換えるとわがままに見えますが、オシドリのオスがそうだというわけではありません。)
こうやって見てみると、この「オシドリ夫婦」という言葉はオシドリがつがいでいる=仲がいい、という印象から来ただけで、オシドリの生き様を反映している言葉ではないといえます。そもそも、オスとメスがつがいでいる動物はほかにもいるはずですが、なぜオシドリが使われたのかということも不思議ですね。
オシドリの繁殖
仲良く見える夫婦仲も長くは続かないオシドリですが、彼らはどのような繁殖形態をしているのでしょうか。オシドリは自然界では、湖や池の近くにある樹木の茂った場所で繁殖します。水近くの木の空洞などに巣を作り、メスは春に卵を産みます。メスは一度に9~12こほどの卵を産みます。
メスは雛が孵化すると、メスは雛を巣から飛び降りるよう促します。雛がすべて飛び降りたのち、雛たちはおかあさんについていき、水域の近くまで移動します。
オシドリの食べ物
オシドリは雑食ですが、植物食の傾向が強いです。植物や種などを主に食べつつ、昆虫などを食することもあります。
オシドリの寿命
寿命は10~20年とされています。
最後に
いかがでしたか。「オシドリ夫婦」という言葉は納得できる面もありますが、なんでわざわざオシドリ?と問いたくなるような面もあるのです。