つやつやのボディが魅力的なタランドゥスオオツヤクワガタ。アフリカに生息しているクワガタムシで、かつてのムシキングではつよさ200の昆虫として登場し、クワガタ好きの間でも高い人気を誇ります。クロツヤオオツノクワガタなどと呼ばれることもあります。
飼育に関しては特別難しいことはありませんが、多少独特な面があり用意するものもほかのクワガタとは違うところがあります。今回は、そういった点も含めタランドゥスオオツヤクワガタの飼育についてみていきたいと思います。
大きさや生息域
アフリカ西部やコンゴなどに生息しているクワガタです。最大で90mmを超えることもある大型のクワガタで、野外ギネスサイズは93mm、飼育ギネスサイズは90.8mmになります。だいたい目にすることが多いのは70mm台前後になるのではないでしょうか。
タランドゥスオオツヤクワガタの飼育法
飼育するだけなら基本的にはほかのクワガタと同じ要領で飼育できます。飼育ケースやマット、ゼリー、止まり木を用意し、セットすればOKです。餌に関しても普通の昆虫ゼリーで問題ありません。とはいえ外国のクワガタムシなので温度管理はしておいてください。
目安としては20℃~28℃ほどになります。温度の範囲は比較的広いですが、暑すぎ寒すぎには注意してください。一方、産卵させる場合はほかのクワガタとは違ったところがあります。
産卵のさせ方
産卵させるには一般的には産卵木を用いますが、用意する産卵木はオオクワガタなどに用いる一般的なクヌギやコナラの産卵木などでは産卵させることはできません。具体的に言えば、霊芝材やカワラ材などの産卵木を用いる必要があります。
以前は産卵させることが非常に難しい種類とされていましたが、これらの産卵木を用いれば産卵することが分かり、産卵や幼虫飼育のハードルが下がりました。これらの産卵木は普通のものよりはかなり高価で、2本で1000円を超えたりします。
なお、カワラタケの菌糸を用いて産卵させることもできます。簡単な方法で言えば、霊芝材やカワラ材の代わりにカワラタケの菌糸ビンにメスが入れる穴をあけ、セットしておくことです。同じような形でカワラタケの菌糸ブロックを用いるのも良いでしょう。
入れ物に昆虫マットを入れ、霊芝材やカワラ材を置いておけば産卵セットとしてはOKです。昆虫マットに関しては特にこだわる必要はありません。なお、卵は緑色をしています。何だこの色はと思うかもしれませんが、それで正常なので心配しなくて大丈夫です。
幼虫飼育
幼虫飼育に関しても、普通の菌糸ビンではなく、カワラタケの菌糸ビンを用いる必要があります。使用する菌糸ビンの違いを除けば、さほどほかのクワガタの幼虫飼育との相違点はありません。菌糸ビンに食い跡が目立ってきたら、新しい菌糸ビンと交換してあげてください。
なお、あまり一般的ではない印象ですが、発酵マットで羽化までもっていった例もあるようなので、余裕があれば試してみてもいいかもしれません。カワラが有効だとわかる前は、発酵マットで羽化させていたようです。
タランドゥスオオツヤクワガタの値段
タランドゥスはクワガタの中でも比較的高価な部類に入り、値段としてはだいたい平均的なサイズで1万円程度になります。産卵に必要なものも高価なので、費用がある程度嵩むのは頭に入れておいたほうがよさそうです。
タランドゥスオオツヤクワガタの寿命
寿命は1年以上あります。繁殖させるのは羽化してから半年ほどたってからでも十分です。
レギウスとタランドゥス
タランドゥスによく似た種類に、レギウスオオツヤクワガタというものがいます。タランドゥスのほうが有名ですが、どちらも昆虫ショップなどでしばしば見かける種類です。一見するとよく似ていて見分けにくいのですが、レギウスのほうが少しすらっとした感じです。飼育法に大きな違いはありません。値段も同じぐらいか、少しレギウスのほうが高くなります。
最後に
漆黒のツヤツヤしたボディが魅力のタランドゥス。飼育に関してもカワラ菌糸を用いるなど、適切な飼育用品を使えば特別難しくはなくなりました。