悪臭を放ったり、畑を荒らしたりと何かと人間には忌み嫌われているカメムシ。とはいえ、カメムシにも実はいろいろいて、中には人間にとって益虫になるものまでいます。今回は、カメムシにはどのような種類がいるのか、代表的なものを紹介していきたいと思います。
クサギカメムシ
日本に加え朝鮮半島や中国など東アジアに生息するカメムシです。カメムシ科に属し、日本でもよく見られる普通種です。草食で、果樹や豆類などの害虫になりますが、特に果樹に関しては警戒しなければいけないカメムシになります。幼虫はマツやスギなど比較的限られた植物で成長することが多いですが、成虫は人間が育てる果実なども含め幅広く害を及ぼします。
また、臭いも強烈で、カメムシの中で最も臭いという人もいるほどです。家の中に入ってくることもあり、中でも越冬するために人家の隙間に顔を出すことが多いようです。臭いが強く、よく私たちの前に姿を現すため、不快害虫としての側面も大きいカメムシです。
ホソヘリカメムシ
日本に加え、朝鮮半島、中国などにも分布しています。ホソヘリカメムシ科に属します。このカメムシはカメムシには珍しく臭いのないカメムシです。しかし害がないかといえばそうではなく、豆類の害虫として知られていて、様々なマメ科の植物に被害を及ぼすためマメ科植物を栽培している際には注意すべき害虫です。幼虫はアリのような姿をしています。
マルカメムシ
名前の通り丸っこいカメムシで、マメ科植物によくつき、害虫になりえます。ごくふつうにみられるカメムシで、周りの野原などでも見られます。クズなどの植物に多く、何十匹という集団でいる姿も見られます。布団などの洗濯物にやってくることもしばしばです。このカメムシも強烈なにおいを発します。洗濯物にくっついていても、あまり刺激を与えずにはなさないと強烈なにおいを受けることになります。
アオカメムシ
アオクサカメムシ、ミナミアオカメムシなどいくつかの種類にわかれます。緑色をしたカメムシで、多くの作物の害虫になり、また悪臭も放ちます。クサギカメムシなどもそうですが、幼虫の育つ植物はまだ限定されているものの、成虫は幅広い植物に害を与えます。マメ、ミカン、イネなど害を受ける植物は幅広いです。
また、このカメムシは大量発生して大きな被害を与えたこともあります。大量発生といっても小規模のものではなく、何百万頭といった驚きの規模です。これだけのカメムシがうじゃうじゃいるのはあまり想像したくありませんね。騒がれたことも被害額が10億円を超えるような規模の発生になったこともあるようです。
ナガメ
体色は黒色と橙色からなり、日本や中国などに分布するカメムシです。ダイコンや小松菜などの野菜を含むアブラナ科の植物に害を与えるカメムシです。ナガメという名前は「菜の花につくカメムシ」に由来しています。また危険を感じたときなど、強烈なにおいを発することもあります。
ハナカメムシ
これまでは害虫になるようなカメムシばかりでしたが、こちらは昆虫を餌としていて、益虫にもなるカメムシです。害虫であるアザミウマなどの対策として考えられるなどしています。
最後に
カメムシも色々な種類がいますが、基本的には農業作物や果樹などに被害を与えたり、不快なにおいを発するなどする害虫です。一方で害虫対策に一役買ってくれるカメムシもいるのです。