あなたは、シデムシという昆虫を知っていますか。シデムシという名前はハネカクシ上科シデムシ科に属する昆虫(甲虫)をまとめて指すことが多いです。動物の死体に集まることで有名な昆虫で、ファーブル昆虫記などでも紹介されています。ここでは、このシデムシについて紹介していきます。
大きさや外見の特徴
シデムシの大きさは種類によりけりですが、最小だと3mm程度、最大で4.5cm程度になります。体は平たく、頭部の大アゴがよく発達しています。
体色は黒っぽいものが多く、オオヒラタシデムシなど全身真っ黒な種類もいます。一方でツノグロモンシデムシのように背中にオレンジ色の模様が入るなど、比較的鮮やかな色合いをしているものも存在します。
シデムシの種類
一口にシデムシといっても、実際はいくつかの種類がいます。日本にいるシデムシとしては、全身黒色で最も普通種といえるオオヒラタシデムシ、日本のシデムシでは最大種で全身黒色のクロシデムシ、背中にオレンジの模様が入るツノグロモンシデムシやヨツボシモンシデムシなど、日本にも多くの種類が生息しています。
シデムシは日本だけでなく世界にも多くいます。熱帯地域には少なく、温帯地域に多く生息しています。
シデムシの生態
シデムシの食べ物
シデムシの最大の特徴といえるのが、その食べ物です。というのも、シデムシは腐食性で、他の生き物の死体などを食べて暮らしているのです。基本的に死肉であれば何でも食べる対象になるようで、死んでからあまり時間がたってないもの、ある程度時間がたって乾燥したものでもどちらも食べるようです。
また、死肉の中にいるハエのウジ等を食べることもあり、中にはハエのウジのみを食べるシデムシも存在します。
シデムシの繁殖
シデムシは一見ただの甲虫にすぎませんが、実は子育ての形態などから亜社会性の昆虫であることが知られています。というのも、親シデムシは子の口へ餌をもっていって食べさせるなどします。幼虫の餌には動物の死骸を地中に埋めたのち肉団子にしたものを利用するとされています。
このような子育てを行うかどうかは種類によって異なり、この亜社会性の行動を示すのはモンシデムシ類に属するシデムシです。一方で、ヒラタシデムシ類に属するシデムシは幼虫も単独行動をします。
シデムシは臭い?
シデムシは腐肉食であることに由来しているのかわかりませんが、捕まえたりすると防衛反応かはたまた別の理由があるのか、臭い液体を出したりすることがあるようです。この液体の臭いは非常に厄介でなかなか取れないようです。なのでシデムシを見かけても、手に取ったりするのは避けたほうがよいかもしれません。
最後に
シデムシは非常に独特な生態をしており、『ファーブル昆虫記』などで有名な昆虫学者であるファーブルもこのシデムシについて研究を行っています。小さな虫であっても、いろいろな工夫をしてこの世界を生き延びているのですね。
ツノグロモンシデム