ケープペンギンはアフリカ大陸南部ケープ周辺に生息する唯一のペンギンです。今回は、ケープペンギンについていろいろとみていきたいと思います。
外見や歴史
顎の下にある一本の黒いラインとおなかのごま状の斑点が特徴的です。アフリカンペンギンと呼ばれることも多く、1499年のヴァスコ・ダ・ガマの同行者の記録にその出会いが記載されています。
その記録の中には、「ロバのように騒々しく鳴く」「翼に羽根がないために飛べない」といった記載がなされています。同じペンギンの仲間であるフンボルトペンギンに良く似ていますが、顔の白い部分が多いという点で見分けられます。
ケープペンギンの名前を広く世に知らしめた事件は、不幸にも2000年のケープタウン沖でのレジャー号沈没で、この事故により1300トンもの重油がケープペンギンを襲い、油にまみれた瀕死のケープペンギンが海辺にあふれ、絶滅の危機が訪れたのです。そんな状況の中、政府や、獣医師、世界中からのボランティアなどが懸命に救助活動を行ったことは記憶に新しいことでしょう。この救護活動により3万匹ものケープペンギンが命を取り留めたと言われています。
ケープペンギンの寿命
寿命は10年〜15年といったところです。
シーパラダイスのケープペンギン
日本の動物園でもケープペンギンは見られますが、特に有名なのが横浜八景島のシーパラダイスの「池田さん」。「池田さん」はもともと担当飼育員が池田さんという方だったことによる名前らしいのですが、拍手をしたりお散歩をしたりするその愛らしい姿が大人気なのだとか。
ケープペンギンの飼育は可能?
そんなかわいいケープペンギンですが、現在ワシントン条約で商取引は禁止されていますので、新規に購入して飼育するのはあきらめた方がよさそうです。ただし、国内で卵が孵った個体であれば許される場合があるかもしれません。
国内で商取引が許されているペンギンもかなり値段が高く、その後の経費もかかりますので、本当に飼いたいという場合には事前の飼育準備、法的な問題がないか、購入後にかかる経費など慎重に考えましょう。
国内で流通しているペンギンはキングペンギンあたりでしょうか、それでも値段は200〜300万円と言われています。また、時期によっても値段は変わるかもしれませんので相当の出費を覚悟しなくてはなりません。さらに違法業者にも注意が必要です。
いざ飼うことになったら、環境を整えなくてはなりませんね。まずストレス解消のためのプールがあること、ちなみにお風呂を代用していることもあるようです。できれば海水で。それから、餌の量も大量です。カタクチイワシやタコ、イカなど冷凍魚を解凍したものを中心に年間で15万円程度はみておきましょう。
トイレのしつけは難しいので糞をそこら中にまき散らすおそれもあります。糞の匂いだけではなくペンギンそのものも生臭さがあるので、匂いに敏感な方は飼うのは難しいかもしれません。またロバのように騒々しい鳴き声もありますのでご近所とのトラブルも発声しないように防音等の対策が必要です。それ以外にも毛の生え変わりの時の対処や病気になった時などいろいろと問題はありそうですので、事前の準備と覚悟が必要です。
最後に
いかがでしたか。ケープペンギンを飼いたい方は多いかもしれませんが、さすがに飼育は厳しいと思われます。とはいえ水族館などの施設で見ることができるので、そちらでペンギンたちを見て楽しんでみてはいかがでしょうか。