あなたは、ウデムシという虫を知っていますか。クモ綱ウデムシ目に分類される生き物で、苦手な方がほとんどかもしれませんが、ヒヨケムシ、ビネガロンと並び世界三大奇虫の1つでもあります。別名をカニムシモドキといい、観賞用としてペットとして飼育されることもあります。今回は、そういったウデムシの生態や飼育などについてみていきたいと思います。
ウデムシの大きさや生息域 日本にいる?
体の大きさの割には足が異常に長く、体長の2~4倍以上にもなったりします。体長は数mmのものもいますが、4cmぐらいになるものもいます。大型のウデムシであれば、足の長さは数十cmになることも考えられます。レッグスパンは5~70cmほどになります。熱帯に生息する生き物で、日本にはいません。
ウデムシの生態
森林に生息しており、夜行性の生き物です。ウデムシはクモ鋼に分類されることからも推測できますが、足を8本もっています。一方、歩く際には普通は6本の足しか使いません。一番前の2本はアンテナのようなものとして使われています。獲物を捕らえるのも、このアンテナの足に獲物が触れたことをきっかけとします。
いくつかの種のウデムシは、母親のウデムシが子供のウデムシと先程述べたアンテナのような足を用いることによってコミュニケーションを取るといった、社会的な行動をしているようです。この社会的行動についてはまだわかっていないのが実情のようです。また、ウデムシは他個体から守るためのなわばりをもつ虫でもあります。
たいていは昆虫類など節足動物を餌としていますが、脊椎動物を襲う姿も観察されているようです。脱皮の前後は餌を食べずに生活します。ウデムシは他のクモ鋼の生き物と同様、数回の脱皮をします。見た目はアレですが、毒があったりすることはなく、無害な生き物です。
ウデムシの飼育法
用意するものとセッティング
用意するものとしては、飼育ケースや床材、登るところをつくるためのコルク板や植木鉢などがあります。飼育ケースはレッグスパンの半分以上、できれば同等の高さのあるものを選びます。基本的には昆虫用のプラケースでいいでしょう。床材は砂やヤシガラなどを用いるようです。
飼育ケースに床材を数センチ敷き、そして登るところを用意します。コルク板か何かを用いてウデムシが登ることができる場所を用意します。飼育ケースの壁はつるつるしていて彼等には登りにくいようです。また、熱帯の生き物なので、温度管理も行うようにしてください。といっても厳密な温度管理はいらず、基本的には20~30℃ぐらいであれば問題ないようです。基本的なセッティングは以上の通りです。
ウデムシの餌
基本的にはウデムシは昆虫などを食べて生活しています。飼育下においてはペットショップで売られているようなコオロギなんかを餌とすればOKです。大きい種類はピンクマウスなども食べるようですが、完食するとは限らず、基本的にそのような餌は与えなくていいのではないでしょうか。餌やりは幼体だと2日に1回、成体だと数日に1回ぐらいになります。
日常の世話
日常の世話としては、餌やりや水を与えること、掃除などがあります。水はなるべく底が浅い水入れに入れてやるか、水を紙にしみこませて与えるかのどちらかです。あまり深い水入れだと飲みにくくなるようです。また、彼らの姿を考えれば想像できることですが、餌をきれいに食べてくれることはなく、足やらなんやらが食べ残されてケース内に残ることが多いです。なので、そういった食べ残しなどの掃除も必要です。
ウデムシの価格
ウデムシは日本にはおらず、ペットショップで販売されているものを買うことになると思います。値段は種類にもよるでしょうが、数千円で買えると思います。
最後に
いかがでしたか。奇妙な虫ですが、一方で飼育されていたり、コミュニケーションを取る種類もあったりと意外な一面もあります。飼育はさほど難しくないと思いますので、飼育してみたい方は探してみてはいかがでしょうか。