ご覧頂きありがとうございます。
今回は『セミの種類や生態を解説!寿命は短いってホント?食べ物は?』というテーマでお送りしていきます。
セミといえば、あなたは何を思い浮かべますか。夏になると、セミの声を飽きるほどに聞かされますよね(笑)。
そんな夏の象徴的な昆虫でもあるセミですが、セミたちは実際どのような生き方をしているのでしょうか。今回は、そんなセミの生態について解説していきます。
是非、最後までご覧ください。
セミは何を食べている?



樹液を吸うための1cm以上にもなる細長い口(口吻)を木へと差し込んで、木の師管液または道管液を吸っているといわれているよ。
どっちを吸っているかは明確には分かっていないんだ。


道管と師管に関しては、以下で紹介するから併せて参考にしてね。
ちなみに師管と道管は形成層とよばれるもので隔てられており、道管と師管を合わせて維管束と呼ばれます。道管は根から水や養分を運び、師管は光合成などにより葉で作られた養分を運びます。

セミはこんな感じで、木の中にストロー状の口吻を差し込んで、餌を食べています。
カブトムシやクワガタだと、木からしみだしてきた樹液を食べていますが、セミは自分で木に穴をあけて餌を食べるんですね。

ちなみにオオミズアオやヤママユガをはじめとする蛾の仲間には、成虫の口が退化していて羽化してからは何も食べないものがいるよ。
関連記事:ヤママユガってどんな蛾?大きさは?毒はある?絹の価値は?
セミの成虫の寿命は?

セミの寿命はどのくらい?と聞かれれば、あなたはどう答えますか。成虫としての寿命は本当に短い、ということを聞いたことがある方は比較的多いのではないでしょうか。
では実際にどのぐらい成虫として生きるのか?といえば、おおよそ1か月程度となります。
まあ長くはないですが、言うほど短くはないですよね。よく1週間だなどといわれることもありますが、基本的にはそこまで短くはありません。
種類や生活環境によって異なりますが、野生のセミは少なくとも2週間ほど~1か月程度生きる能力は備えています。もちろん天敵等に襲われれば話は別ですが。

そう考えるとセミの寿命は短い、というのは実際のところデタラメに近いところがあるんですね。

私もセミの寿命は1週間ぐらいと思ってました。

セミを飼おうと思っても、1週間ぐらいで大抵は死ぬからね。これが、セミの寿命は1週間とかいう誤解?を生んでいるのかもしれないね。
まあ、中には1週間ぐらいで死ぬ個体もいるだろうから、100%間違いとは言えないだろうけどね。
続いて、セミの飼育がうまくいかない理由を少し紹介するよ。
セミを飼育しても長生きできない理由

ではなぜセミは飼育しようとしてもすぐに死んでしまうのでしょうか。
もちろんいろいろな原因が考えられますが、1つはやはり餌の問題です。
カブトムシのように昆虫ゼリーなどを与えたら食べてくれるならいいのですが、セミは残念ながら木の樹液以外のものをあまり食べることはありません。
なので、満足にえさにありつけず早死にするというのが、考えられる原因の1つです。
セミが樹液を吸う木の苗木(カキやクヌギなど)に網をかぶせるなどすれば飼えないこともないようですが、それでもほかの虫に比べると難易度は高くなります。
まあもっとも、わざわざそこまでしてセミを飼いたいかという話ですね。なので、セミは日本人にとってなじみの深い昆虫である割には、飼育されることは殆どありません。
因みにセミは、飼育下でも1か月以上生きたという記録もあるようです。
セミの幼虫は何を食べる?

セミの幼虫は地中にいます。セミの成虫は枯れ木に卵を産みますが、幼虫は孵化して1度脱皮するとすぐ地中へと潜っていきます。

セミの幼虫は何を食べているのかな?

じゃあ、幼虫も同じように周りの土を食べてるのかなあ。



セミの幼虫期間


大体のセミは2~6年ぐらいの幼虫期間があるといわれているけど、種類によっても違うし、環境によっても違うだろうから、明確に何年だということは難しいね。


セミの種類

あなたはいくつ知っているかな?
アブラゼミ

出典:https://www.flickr.com
おなじみのアブラゼミです。大型のセミで、体長は6cm近くにまでなります。
セミの翅は透明なものが多いのですが、このアブラゼミは不透明な翅をもつという特徴があります。翅全体が不透明なセミは、世界を見渡しても少ないようです。
一方で羽化直後のアブラゼミの翅は透明に近いです。
日本人にとって身近なセミで都市部でもよく見られるのですが、近年北日本では生息数が減少傾向にあり、北海道や東北地方ではあまり見られなくなっている地域が多いようです。
アブラゼミの鳴き声は「ジジジジジ・・」といった感じです。アブラゼミという名前は、この鳴き声を油を熱したときの音に見立てて名付けられたという説もあります。
いわゆる「夜鳴き」をする傾向にあるセミで、夕方ごろに最も盛んに鳴く傾向にあります。
ミンミンゼミ

出典:http://photozou.jp
体長はアブラゼミと同じぐらいで、6cm前後と大型のセミです。「ミンミンゼミ」という名前は、鳴き声が「ミ~ンミンミン・・・」といった感じで聞こえることに由来しています。
この鳴き声は、アニメなどにおいても効果音として良く用いられていますね。そういった意味でも、夏の風物詩ともいえるセミの一種となっています。
体のところどころには水色や緑色の模様が入っており、日本のセミの中では綺麗な色彩をしています。
中には全体的に薄い青緑色になったような個体がいて、このタイプのミンミンゼミのことを「ミカドミンミン」と呼ぶことがあります。
もともとは森林性のセミですが、東京23区などをはじめ都市部でも見られる地域は多くあるようです。
ツクツクボウシ

出典:https://commons.wikimedia.org
夏の終わりごろによく見られるセミです。中型のセミで、体長は4.5cm程度(翅を含む)です。
ツクツクボウシという名前は、その特徴的な鳴き声に由来しています。「ボーシ ツクツク ・・・」といった感じの鳴き声が、このセミの一番の特徴です。
ちなみに、東京都の八丈島にはセミはこのツクツクボウシしか生息しておらず、夏になるとずっとツクツクボウシが鳴いており、ツクツクボウシの楽園状態になるようです。
クマゼミ

出典:http://photozou.jp/photo
日本のセミの中では一番大きいグループのセミです。日本のセミにおいてもっとも大きいのはヤエヤマクマゼミという文字通り南西諸島の一部に生息するセミで、2番目が本州に生息するクマゼミです。
北日本には生息しておらず、関東以南の本州から四国、九州、南西諸島に生息しています。鳴き声は「シャシャシャ・・・」といった感じで、前後には「ジーーー」といった鳴き声が入ります。
ニイニイゼミ

出典:http://opencage.info
小型のセミで、大きさは2~3cmぐらいです。「チーー ジーー」といった感じで鳴き、「ジー」の部分のほうが、音量は大きくなります。鳴き終わりは「チッチッ・・」といった感じになります。
地味な色のセミですね。さらにニイニイゼミの翅は透明ではなく、茶色っぽいまだら模様をしているので、余計に地味に見えてしまいます。
北海道から南西諸島まで日本の広い範囲に分布しており、日本以外でも台湾や中国などにも生息しています。
ヒグラシ

出典:http://photozou.jp
大きさはオスが3cmほど、メスが2cm台前半なので大きさに違いがあり、オスメスが見分けやすい種類です。体色は赤褐色で、部分的に緑色が入ります。
日本全国に分布しており、ほかにも中国大陸にも生息しています。鳴き声は「カナカナカナ・・」といった感じで、「ケケケ・・・」「キキキ・・・」などと聞こえることもあります。
その鳴き声から「カナカナ」などという別名がついています。ヒグラシという名前は、結構そのまんまなのですが「日暮れ時に鳴く」事に由来しています。
名前から勘違いする方もいるかもしれませんが、日暮れ時のみに鳴いているわけではありません。
ハルゼミ

出典:https://ja.wikipedia.org
名前の通り春に発生するセミです。日本では本州・四国・九州に生息しており、主としてある程度の規模がある松の林で見られます。
北海道にはエゾハルゼミというよく似た種類が分布していますが、これは北海道にかぎらず本州から四国、九州にも生息しています。
松の林を出ることは殆どないので、普段見ることはあまりないかもしれませんね。
鳴き声は「ジーッ・ジーッ」などといった感じですが、人によって聞こえ方は結構違うようです。最近のマツクイムシによる松林の減少や駆除剤による影響もあり、ハルゼミの生息数は減少傾向にあるようです。
10年以上の幼虫期間のものがいる?
海外のセミとなりますが、驚きの幼虫期間をもつものも少し紹介します。
北アメリカ東部には周期ゼミと呼ばれるセミがおり彼らは幼虫期間が17年または13年となります。
おもしろいことは13も17も素数なんですよね。(素数というのは1とその数以外で割り切れる数をもたない数のことです)。
これについては諸説がありますが、セミたちの生き残るための1つの戦略だと考えらています。
最後に

今回は『セミの種類や生態を解説!寿命は短いってホント?食べ物は?』というテーマでお送りしてきました。
最後に、当記事で紹介したことを簡単に纏めます。
- セミは、幼虫も成虫も木に細長い口吻を差し込んで、養分を吸っている
- セミの寿命は世間で言われているよりは長く、1か月ほど生きることもある
- セミの飼育は難しくすぐ死ぬので、寿命が短いと誤解を生んだ1つの原因と考えられる。そのため、セミの飼育は殆ど行われていない。
- 幼虫期間は種類によって異なり、何年にも及ぶ幼虫期間を経たうえで成虫になる
セミの生態は、まだまだ完全には分かっていないところもあります。
身近な存在でありながら、非常に興味深い昆虫なんですね。
~関連記事~
よく木の高いところにいるイメージですけど。