イトトンボを解説!生態やヤゴの飼育法、種類は?越冬する?

ご覧いただきありがとうございます。当記事では、イトトンボについて紹介しています。


イトトンボとは

イトトンボは、トンボ目イトトンボ亜目に分類されるトンボの一種です。

イトトンボは種類によって色彩や細かな形は異なりますが、大まかな特徴としては前後の翅の形や大きさがほぼ同じなこと(このことからイトトンボ亜目は均翅亜目とも呼ばれます)、腹部(翅の付け根より下側)が細いこと、複眼(目)が小さいことなどが挙げられます。

イトトンボの別名として、トウスミトンボと呼ばれることもあります。

イトトンボといえばあまり派手な色をしているイメージはないかもしれませんが、キイトトンボやベニイトトンボなど、鮮やかな色をしているものが意外と多いです。その他でも、要所要所の青色が美しいものが多くいます。

イトトンボは漢字で書くと「糸蜻蛉」と書きます。この名前はイトトンボの小さく細長い姿形を「糸」になぞらえたのが由来です。

イトトンボの種類

ひとくちに「イトトンボ」といっても、実際には世界中に多くの種類がいます。イトトンボ亜目に分類されるものとしては、イトトンボ科、モノサシトンボ科、ハナダカトンボ科、ミナミカワトンボ科、アオイトトンボ科、カワトンボ科といった科があります。

翼開長が19cmほどに達し、世界最大といわれている南アメリカに生息するハビロイトトンボもイトトンボの仲間であり、こちらは体長は10cmほどになります。

日本にいるイトトンボの代表的な種類としては、美しい黄色をしたキイトトンボ(写真上)、赤色をしたベニイトトンボ、オスの水色と黒のツートンカラーが美しいセスジイトトンボやオオイトトンボ、クロイトトンボ(写真下)ほぼ全身青色をしたルリイトトンボなどがいます。

イトトンボの生態

イトトンボは基本的には水面近くをゆっくりと飛ぶことが多く、あまり水面から離れることはありません。そのため、田んぼなど我々の身の回りでスーッと広範囲を飛んでいる他のトンボに比べると、行動範囲も狭くゆったりした感じがあるようです。

イトトンボの餌

イトトンボは成虫、幼虫ともに肉食で、成虫はハエなどの小さな昆虫を餌としています。幼虫(ヤゴ)は水中のボウフラなどの小さな生き物を食べて暮らしています。

イトトンボの繁殖

イトトンボの繁殖において、1つ特徴的なのが交尾です。イトトンボのオスとメスが交尾をするとき、以下の写真のように細い腹部がハート形のような形でつながります。

交尾が終われば、メスは水中植物の中などに産卵します。基本的にはオスとの連結を解いてから産卵を行いますが、中にはオスがつながったまま産卵を行う場合もあるようです。

越冬する?

トンボの多くはヤゴとして越冬します。いっぽうで数は多くありませんが、イトトンボの中には成虫で越冬する種類がいます。

成虫で越冬するタイプのイトトンボとしては、オツネントンボ、ホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボといった種類が知られています。

オツネンという名前は、成虫で越冬することからオツネン(越年)とつけられたようです。

イトトンボの飼育

イトトンボの成虫をまともに飼育するのは不可能に近いですが、幼虫(ヤゴ)であれば飼育して羽化までもっていくことも不可能ではありません。

水槽やバケツなどを用意してカルキ抜きをした水を入れ、後はトンボが羽化できるよう棒を水面から出るようにセットしておき、あとはヤゴを入れてやればOKです。無理に用意しなくても羽化してくれることもありますが、水草や砂利などがあればより良いでしょう。

餌はボウフラやイトミミズなどの小さい水中の生物を用意します。他のトンボのヤゴとは違い、イトトンボのヤゴは大きな餌は食べられないので、なるべく小さな餌を用意してください。羽化が近くなってくるとヤゴの羽が盛り上がってくるなど変化が現れます。それまでにはかならず棒などで上陸できる環境を用意してください。

 

スポンサーリンク

最後に

最後に内容を簡単にまとめておきます。

  • イトトンボの特徴としては大まかな特徴としては前後の翅の形や大きさがほぼ同じなこと、腹部が細いこと、複眼(目)が小さいことなどがあげられる
  • 日本にもたくさんの種類がいて、美しい色をしているものも多い
  • 肉食でハエなどの小昆虫を餌としている
  • オツネントンボのように、一部成虫で越冬する種も存在する
スポンサーリンク