黄金の蛹?オオゴマダラ!幼虫の食草や飼育は?毒あり?

あなたは、オオゴマダラという蝶を知っていますか。

日本にいるチョウの中では最大級といえる非常に大きなチョウです。また、さなぎが金色になることでも知られていて、マニアの間では人気のあるチョウです。

ここでは、そういったオオゴマダラについて解説していきます。


オオゴマダラとは

分類 鱗翅目タテハチョウ科マダラチョウ亜科
学名 Idea leuconoe
大きさ 7cmほど(前翅長)
生息域 東南アジア、台湾、南西諸島など

上の写真の蝶がオオゴマダラで、見ての通り翅には白地に黒い模様があります。後でも述べる通り、この派手な色は天敵に対する警戒色となっています。美しい姿から「南国の貴婦人」と呼ばれているようです。

幼虫も白と黒の2色からなり、縞模様のようになっています。幼虫の頭と尾には角が2本ずつ生えています。

また、オオゴマダラの場合何より特徴的なのは蛹です。えっ、蛹?と思うかもしれませんが、オオゴマダラの蛹は金色に輝くとされています。

写真だけだとどこにでもいる蝶に見えるかもしれませんが、前翅長は7cmにもなり、日本のチョウとしては最大級といえます。

大き目のチョウといえばナミアゲハ(一般的なアゲハチョウ)などが思い当たると思いますが、ナミアゲハの大きさは通常前翅長5cmほど、大きくても前翅長6cm程度であることが多いです。そう考えると、オオゴマダラがいかに大きなチョウかが窺い知れます。

日本では南西諸島に生息しており、世界を見渡すと東南アジアに広く生息しています。喜界島(奄美大島の北東にある島)が北限とされているため、本州では残念ながら自然の状態では見ることはできません。

沖縄県では県蝶として指定されていて、那覇市やうるま市、石垣市などの市蝶にも指定されています。

漢字では「大胡麻斑」と書きます。名前は白黒のまだら模様を胡麻になぞらえてつけられたようです。またふわふわと舞う姿から「新聞蝶」と呼ばれることもあります。

 

オオゴマダラの生態

発生時期や生息数

基本的に生息域では通年見ることができるようですが、冬は少な目です。沖縄ではアイドル的な蝶ですが、しょっちゅう見れるわけではありません。一方で、現地では育てたものを放蝶されることも多く、数はやや増加傾向ともいえるようです。

幼虫の食草

幼虫はホウライカガミやホウライイケマと呼ばれる植物を餌にしています。これらの食草にはアルカロイドと呼ばれる物質を含んでおり、これを取り込むことによって毒を体内にためています。毒は成虫になっても残り、身を守るのに役立っています。(かといって、捕食者ではない人間には特に害のある蝶ではありません)

オオゴマダラは目立つ色をしていますが、この色は天敵に自身が毒をもっているというサインでもあります。このような色を警戒色と呼びます。アサギマダラ(以下のページ)など、このような性質を持つ蝶は他にも存在します。

参照:渡り蝶?アサギマダラを解説!生態や幼虫の食草は?寿命は?

オオゴマダラの飼育は可能?

オオゴマダラは比較的狭い場所でも繁殖させやすく、飼育しやすいチョウで、施設などでもよく飼育されています。

沖縄などもともとオオゴマダラが棲んでいる地域にお住まいの方であれば、食草のホウライカガミ等を切ってきてペットボトルやビンなどに生け、幼虫にその葉を食べさせれば飼育できるでしょう。飼育して金色の蛹まで育て、そこから大きなオオゴマダラを羽化させる経験は楽しいと思います。

一方で、本土などもともとオオゴマダラがいない地域だと、幼虫は育てられても成虫まで育った後成虫の蝶を育てられる設備をお持ちでなければ、成虫になれば殺して標本にする等しかなくなります。また、暖かい地域のチョウなので、冬は多少加温する必要があるでしょう。

言うまでもないですが、オオゴマダラを本州で放虫するともともといない場所に放ってしまうことになるので気を付けてください。幼虫や食草は沖縄にいる知り合いから取り寄せるか、あるいはヤフオクなどで出ている場合もたまにありますので手にいれることは一応不可能ではないと思います。

オオゴマダラが見れる場所

オオゴマダラは温室のある昆虫館などに行くとたいていの場所で見ることができます。例えば、伊丹市昆虫館、樫原市昆虫館、石川県ふれあい昆虫館、ぐんま昆虫の森などがあります。

基本的に飼育しやすい蝶なので、多くの昆虫館などの場所で飼育されています。

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最後のまとめ

最後に内容を簡単にまとめておきます。

  • オオゴマダラは日本でも最大クラスの蝶で、主として東南アジアに分布するが、日本でも南西諸島では見ることができる
  • 黄金のさなぎが特徴的
  • 幼虫はホウライカガミを食草としていて、毒をためている
  • 比較的飼育が容易なため、施設で飼育されていることも多い
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