あなたは、チベットスナギツネというキツネを知っていますか。
カルピスのCMに登場し、ゲーム「けものフレンズ」のキャラクターにも登場している生き物で、最近知名度が上がってきています。一方で、実際どのような動物なのかはよく知らない方が多いのではないかと思います。
ここでは、このチベットスナギツネについて、生態などを解説していきます。
大きさや外見の特徴
分類 | 食肉目イヌ科キツネ属 |
学名 | Vulpes ferrilata |
体長 | 60~70cmほど |
体重 | 3~5.5kgほど |
生息域 | 中国 インド ネパールなど |
チベットスナギツネの体長は60~70cmほど、しっぽの長さは29~40cmほどです。体重は3~5.5kgほどになるとされています。
チベットスナギツネの特徴の1つが、まるで無の境地に達したかのように見える渋い表情です。下の動画の1:00前後を見て頂くとよくわかると思います。この何とも言えない表情が、人気の理由ともいえます。
体の大きな頭部もチベットスナギツネの特徴の一つですが、これは体が大きいと天敵に錯覚させるため、獲物がたてる小さな音を逃さないため、などの説があります。
動画で分かると思いますが、顔は四角っぽく見えます。これは、ひだ状になっている襟部分が影響しているようです。
チベットスナギツネの生息域
チベットスナギツネは中国西部のチベット高原やラダックの高原地帯、ネパールなどといった地域に生息しています。
「スナギツネ」という名前の通り、乾燥した地域に生息していて、生息域は下記の世界地図の赤丸当たりの位置です。
比較的乾燥した地域に生息していて、主に標高3500m~5200mぐらいの標高の高い場所に暮らしています。時々それ以下の場所でも見られることもありますが、標高2500m以下の場所で見られることは殆どありません。
チベットスナギツネの生態
食べ物
チベットスナギツネは動物食で、ナキウサギの仲間であるクチグロナキウサギと呼ばれているウサギを、最も多く食べているようです。
他にもモルモットなどの齧歯類やトカゲ、昆虫、鳥などの生き物を餌として生活しています。
また、チルー(チベットカモシカ)やジャコウジカなどの死骸(死肉)を食料として利用することもあり、食べる食べ物の範囲は広いようです。
ヒグマとの関係
チベットスナギツネはヒグマと片利共生の関係にあるとされ、ヒグマの後をこっそりついていき、ヒグマがナキウサギを掘り起こしたときに、そのウサギが逃げているところを狩るという方法をとったりもします。
もっとも、これはヒグマからしたら迷惑でしかないのですが..
繁殖形態、子育て
ペアを形成し、2か月弱の妊娠期間を過ぎると子供が生まれます。1回につき2~5匹の子供がうまれます。
基本的には単独で狩りを行うことが多いですが、メーティングを終えたペアの場合はそのあともしばらく一緒に居り、狩りなども一緒に行うこともあるようです。
子どもは8~10か月ほど親の元で過ごします。巣穴は岩の下や石の隙間などにつくられます。
動物園で見れる?
チベットスナギツネが見られる動物園は、調べた感じだと日本国内には無いようです。
少なくとも日本国内でこのチベットスナギツネをお目にかかる機会ほぼないのではないでしょうか。海外の動物園に範囲を広げても、見られる動物園は確認できませんでした。
なので、実物を見たければ現地に行くしか無さそうですね。
チベットスナギツネの寿命
寿命は8~10年ほどとされています。しかし実際のところは5年程度で死んでしまう個体が多いようです。
生息数は?
IUCNにはLeast Concern(LC、低危険種)としてリストされています。そのため現状絶滅の心配がなされているほどではありません。
狩猟の対象になることもなくはないですが、もともと利用価値は高くないため数は少なく、あまり影響はないようです。
一方で、現地では獲物であるナキウサギが毒によって駆除されているため、このことがチベットスナギツネに影響を与えるのではという懸念もあるようです。
最後に
今回は『チベットスナギツネを解説!生態や顔は?動物園では?』というテーマでお送りしてきました。
最後に、当記事で紹介したことを軽くまとめさせていただきます。
- チベットスナギツネは、その何とも言えない渋い表情が魅力的で、CMなどにも使われている
- チベット周辺の標高の高い地域に生息している
- 餌はナキウサギの仲間をはじめとした肉食である
- 日本の動物園では見ることができないので、日本国内でお目にかかることはほぼない
チベットスナギツネの渋い表情には、どことなく愛嬌を感じます。日本で実物が見れないのはちょっと残念ですね。
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