あなたは、オオミズアオという蛾を知っていますか。
あまり見慣れない蛾ですが、蛾の中ではとても大きく、名前の通り水を連想するような青っぽい色をした蛾です。
蛾といえば嫌いな方も多いかもしれませんが、普段我々の近くで飛び回っている蛾とは全く違った、神秘的な雰囲気を持っています。
今回は、そんなオオミズアオについて解説していたいと思います。
オオミズアオの大きさ、生息域
出典:https://ja.wikipedia.org
オオミズアオは北海道から九州の低地から高地まで幅広く生息しています。国外においても中国やロシア南東部、朝鮮半島に生息しています。
前翅の長さは80~120mmほどとなります。ぎょっとするような大きな蛾ですね。
幼虫はいわゆるイモムシですが、全体的にサボテンのような姿をしていて、毛が少し生えています。
幼虫も同じく非常に大きく、おとなの指の長さぐらいあります。
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ちなみに、オオミズアオの幼虫は毒はもっていません。
ただし、触ると体質によってはかぶれてしまう場合もあります(もっとも、すぐに治まることがほとんどだと思います)。
オオミズアオの寿命、ライフサイクル
オオミズアオの成虫の寿命は約1週間ほどしかありません。
というのも、オオミズアオは口が退化してしまっています。言い換えれば餌を食べることができないとも言えます。
これは同じく巨大な蛾であるヤママユガなど、多くの蛾に当てはまります。
関連記事:ヤママユガってどんな蛾?大きさは?毒はある?絹の価値は?
オオミズアオをはじめ、蛾って意外と寿命が短い(1~2週間ほど)ものが多いです。寿命が短いムシっていうと、セミを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
だけど蛾の成虫も、セミに負けず劣らずなんですね。
関連記事:セミの生態を解説!寿命は?食べ物は?
ちなみにオオミズアオの発生時期は2回あり、1回目は初夏で、2回目は夏です。冬の間は蛹で越冬しています。
絶滅危惧種?
オオミズアオというと神秘的な見た目をしていることもあって、珍しい蛾ではないかと感じるかもしれません。しかし実際のところは、オオミズアオはそこまで珍しい蛾ではなく、絶滅危惧種に指定されているといったことはありません。
ただし、地域によってはなかなか見られないのも事実だと思います。
なお、オオミズアオにはオナガミズアオというよく似た種類のものがいて、こちらは個体数が少なく準絶滅危惧種として環境省のレッドリストに名前があります。
オオミズアオ、オナガミズアオの違い
オオミズアオとオナガミズアオは酷似しており、見分けるのはなかなか難しいです。
違いはだいたい以下の通りです。
- 前翅の先端がオオミズアオは丸く、オナガミズアオは角ばっている。
- 後翅の目玉模様はオオミズアオは楕円形、オナガミズアオは円形
- オオミズアオの触覚は黄色で、オナガミズアオの触覚は緑色
なお、準絶滅危惧種に指定されていることが示唆する通り、オナガミズアオのほうが個体数は少ないです。
幼虫の食草
オオミズアオの幼虫はモミジやサクラなどバラ科、ブナ科、カブノキ科を中心とするいろいろな種類の葉を食べます。
成虫になってからは一切食べることができないため、幼虫時代に蓄えた栄養で一生を全うします。
幼虫の飼育法
オオミズアオの幼虫は先程挙げたバラ科やブナ科などの木の枝を取ってきて、ビンなどに生ければ飼育することができます。
様々な木を食草にするため、先程挙げた木以外から見つかることも多いです。
基本的には、いたところの木を取ってきて飼育すればOKです。
最後に
今回は『オオミズアオを特集!寿命は?幼虫の食草は?』というテーマでお送りしてきました。
当記事で紹介したことを簡単に纏めますね。
- オオミズアオは大型で神秘的な見た目をした蛾
- オナガミズアオという近縁種がいて、こちらは準絶滅危惧種となっている
- 成虫になってからの寿命は短く、成虫になってからは何も食べない
- 幼虫はモミジやサクラなど色々な木を食草としており、毒はない
見かけることは少ないかもしれませんが、その神秘的な外見は魅力的ですよね。
見かけることがあれば是非、一度じっくり見てみてくださいね。
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